約款を読んだこと、ありますか?
生命保険は、加入するとその契約内容についてこと細かに文章化された約款(やっかん)がついてきます。
家電でいれば、取り扱い説明書兼保証書のようなものですね。
あなたがもし生命保険に加入しているのなら、必ず見たことがあるはずです。
私が初めて約款を手にしたのは、こども保険に加入したときです。
(独身時代に加入した養老生命保険の約款は、恐らく母が受け取ったと思われます・・・私にあまりにも保険の知識がなく、無関心だったので。)
そのときは新書の本ほどの大きさに約款が付いて来ました。
こちらの勘違い男(経験した実際の生命保険関連の事例11)のケースで少し出てきた約款ですが、私も読むことを放棄したように、隅から隅まで読んだという加入者はほぼ皆無なのではないか、と思います。
だからこそ、その男性も約款を全て読んだら契約を続行してやってもいいなんて無茶なことを言ったのですから。
しかし、契約内容の要点は、加入前に保険屋さんがもってきてくれた資料と、加入後に郵送されてきた保険証券を見ればたいてい載っています。
何歳でいくらのお祝い金があって、そのときの利率はどのくらいになるのか・・・などなど。
むしろ、それ以外のことを難しい専門用語で書かれたところで、理解不能。
というわけで、私はそのこども保険の約款を一度も読むことがありませんでした。
事情があって解約したので、その約款はもう手元に置いていません。
何が書かれていたのか、今となってはわかりません(~_~メ)
約款の簡略化は、加入者が読んでいないことの裏返し?
数年後、私が死亡保険に加入したときのこと。
契約したあとで、「ご契約のしおり・約款」が届きました。
でも、どうみても薄い。
表紙をよく見ると、[CD-ROM版]と書いてあります。
そして、表紙をめくると、確かについていました、CDが。
そこで私がどうしたかというと・・・そのまま保険証券と一緒にしまいました~。
だって、加入したときには保険屋さんから説明をしっかり受けた(と思っている)し、すぐに解約するとは思っていないでしょ?
というわけで、この記事を作成するにあたって開くまで、ずっとファイルにとじたままでした・・・。
薄い冊子を開いてみますと、CD-ROMと別に書面に書かれているものもありました。
それは「契約概要」と「注意喚起情報」でした。
告知義務違反や解約返戻金、それから責任開始日(保険会社が保障を開始する日)については、しっかり書面にされていました。
これは“生命保険会社側が伝えたいこと”だからですね、きっと。
では、CD-ROMには何が書かれているのでしょうか?
こちらはむしろ、“生命保険会社側が伝えなくてもいいこと”でしょうね、きっと。
と思いながら、せっかくだからとパソコンにセットしてみたところ・・・読み取れません(*´Д`)
なぜ!?
と思ったら、Windows7とVista対応だったんですねぇ。
2012年バージョンですから、仕方ありませんね。
今契約したらWindows10も対応しているのでしょうけれど。
というわけで、中身は確認できませんでした。
約款に関して、実は契約時に保険屋さんから2つのうちどちらかを選択するように言われました。
- 書面で受け取る(昔通り小冊子で)
- CD-ROMで受け取る
「約款なんてあまり読まないし、ジャマですよね?」と言われて私は素直に「読みません」と答えたので、CD-ROMで送られてきたというわけです。
生命保険業界の人達が、約款を読ませないようにしているわけではないんですね。
一応今まで通り請求されれば冊子を渡しますよ、という姿勢をみせつつ、「読まないでしょ?」というのが保険会社の本音、というところでしょう。
ちなみに、CD-ROMが読み取れないからといってそれで終わりではありません。
加入時に約款はネットでも読めますと説明されました。
こちらもついでに検索してみようと思ったのですが・・・パスワード設定などがあり、断念。
というより、今解約するつもりがないので約款をしっかり読む必要性もないよね・・・と、辞めました。
それに、本当に契約内容をよく読む必要があるのは、加入する前だと思うんですよね。
なんだかんだと理由をつけて、結局私は未だ生命保険の約款を読んでいません。
私達加入者は、やはり生命保険のことを考えるのは面倒だと、自然に情報から遠ざかっているのですね。
約款をペーパーレスにすることは、私はよいことだと思います。
ゴミになるくらいなら、そんなものを作らなくてもいいんじゃないかって。
でも、必要なことはしっかり知らせて欲しいし、コスト削減した分は保険料を引き下げるか、保険金を増額するなど、加入者に還元して欲しいと思います。
とは言うものの、保険業界も生き残りに必死です(近年の統廃合が物語っていますよね)し、マイナス金利政策の打撃はかなり大きいでしょうから、私達に還元されることは難しいと思っています。
生命保険は、自分と家族のもしもを守る命綱です。
ネットだろうが紙だろうが、または約款という形で読まないにしても、少なくとも契約内容はしっかり把握しておきたいですね。