「生命保険は誰のため?とんだ勘違いの“約款読め”男!」~実際の生保事例11~


生命保険は、金食い虫か?命綱か?

生命保険に対して、あなたはどのようなイメージを持っていますか?
おそらく、下の3つのどれかにあてはまるのではないでしょうか?

<生命保険に抱くイメージは?>

【1】金食い虫
【2】もしものための命綱
【3】なんとも思っていない

生命保険に関心のあるあなたは、おそらく【1】か【2】のはず。
【3】のようになんの関心もない、ということはないでしょう。

生命保険は、「平時」のときにはありがたみがわかりません。
しかし、「有事」のときにはこれほど心強いものはありません。

最低金額の保険料しか納めずに保障を受け取った男性(「最低金額で最大限の保障をgetした男性」)や、突然の病気になんの備えもしていなかった夫妻(「“もしも”は突然やって来る!! 高収入夫妻を襲ったピンチ」)のように、生命保険に加入していたおかげで治療費の支払いや療養中の生活を食いつなぐことができた人は、大勢います。

現金による貯蓄は、自分が今まで貯めた分しかありません。
貯蓄する金額・年月が少ないほど、もしもの備えに対する金額も少なくなります。
普通の会社員なら、1年後にいきなり何千万もの資産には増えません。
あなたが今病気になって長期療養を必要とするようになったとき、今の貯蓄額で治療費を払いながら、どのくらいの期間生活できるでしょうか?

考えると、怖いことだと思いませんか?
毎月一定の収入(給料)を受け取れると思っているからこそ、今の生活が成り立っているのです。
もしこれが途絶えたら、1年どころか数か月分の生活費しかない・・・という人もいるでしょう。

病気や事故は、いつ起こるかわかりません。
絶対の安全・安定なんてないのに、その備えのできている人がいかに少ないことでしょう。

それを助けてくれるのが、生命保険です。
今から頑張って貯蓄をしても、1か月1万円の積み立てでは、半年では6万円にしかなりません。
しかし、生命保険なら1か月1万円を半年払っただけでも、いざというときには高額な保障を受けることが可能なのです。

それをわかっている人は、生命保険のことを「金食い虫」とは思いません。
少ない投資でもしものときには莫大な威力は発揮する、「命綱」と考えます。
もしかしたら、もっとドライな人は「投資商品」としてみているかもしれません。

生命保険は誰のため?とんだ勘違い男

生命保険の保険料は、家計にとって痛い出費であることは間違いありません。
もしもの事態が本当に起こるかわからないのに、毎月数千円~数万円支払っているのですから。
それなら、自分の小遣いをもっとあげたいと思うのも自然なこと。

それでも加入しているのは、もしものときに自分と家族の生活を守るため、ですよね。
しかし、ただ「無駄遣い」「金食い虫」と思っている人も、世の中には大勢います。
それは、生命保険がいかに効率のよいリスクヘッジかわかっていないからです。

知り合いの保険屋さんが出会ったという男性が、まさにそうでした。
その夫妻は、知り合いの代理店で複数の保険に加入していました。
生命保険だけでなく、自動車保険・火災保険なども加入していたそうです。

ところが、夫妻は離婚することになりました。
そうなると、住所や保険料の引き落とし口座など、もろもろの変更手続きが必要になります。
奥さん側から連絡を受け取った保険屋さんは、旦那さんの方と奥さんの方を別々に訪問して、手続きをとることにしました。

奥さんの方はすんなり済みましたが、旦那さんのほうはそうはいきませんでした。
旦那さんはファイナンシャルリテラシーが低く、アリとキリギリスなら完全にキリギリスのタイプ。
アリタイプの奥さんが自営業の旦那さんにかけていた収入保障は、常々ただの金食い虫だと思っていました。

旦那さんは、離婚をきっかけに収入保障保険を解約しようと思っていました。
子供は奥さんに引き取られたので、確かにこれからは同じ金額の収入保障は必要ないのかもしれません。
しかし、男性は自営業ですから、ひとたび仕事ができなくなると生活は成り立ちません。
離婚によって現金も分割し、手元にはもしもの備えになるほどの財産はありませんでした。

保険屋さんは、離婚したあとも収入保障は必要であると考え、変更手続きに男性の経営するお店に訪問しました。
すると男性は、「約款を全て読んだら契約を続行してやる」と言ったのです。

必要ないと思うのならさっさと解約すればよいものを、男性は「自分は大事な客なんだ」と勘違い。
離婚や日頃のうっぷんも晴らしたかったのでしょう。
だから約款を読んだら「契約してやってもいい」という不遜な態度をとったのです。

冒頭で質問したように、生命保険というのは【1】の金食い虫と思う人がいる一方で、【2】の命綱と思う人もいます。
もし男性が【2】の立場なら、離婚に伴い契約内容を見直したかもしれませんが、保険屋さんに分厚い約款を読めなどという意地悪をするハズがありません。
その行為に、なんの意味もありませんしね。

生命保険に入る時、付き合いで入った人も多いでしょう。
仮にそうだとしても、生命保険は誰のために加入するのか、そこをよく考えるべきです。
自分のもしもを支えてくれる命綱だと思えば、加入はよく検討するし、保険屋さんに対して高圧的な態度をとることはありえません。

もちろんこの保険屋さんは、そんなことをされてまで契約してもらう必要はありませんから、解約手続きをとったとのことでした。
保険屋さんは、強引に商品を押し付けてくる人もいますが、自分の味方になってくれるかもしれない存在でもあります。
仕事をとるためにしぶしぶ加入した男性(「最低金額で最大限の保障をgetした男性」)は、どれだけの感謝をしたことでしょう。

生命保険は、保険屋さんのために「入ってやる」ものではありません。
「自分と家族のため」です。
そこを勘違いした、なんともイタイ男性のケースでした。