「初めての妊娠・出産と保険」~実際の生保事例01~


とりあえず生命保険に入っておこうかな・・・(^^;)

21才で看護師として就職した私。
新人看護師は生活全てが仕事中心で、帰宅も遅ければ翌日朝までに勉強していかなければならないことで、睡眠時間を削る毎日。
休日だからといって遊びに出かけられるわけでもなく、寝る・勉強するだけで毎日が過ぎていきました。

年をまたぎ、1年目ももう少しで終わり・・・という頃。
その頃には、ようやく夜勤明けで少し自分の時間をとれるようになっていました。
JAに勤めていた母から「うちの若い子の保険に入ってあげて」と言われました。
やはりJAにも保険勧誘の実績というものが必要だったのでしょう。

夜勤明けで帰宅して一眠りしてから、呼び出された母の職場へ行きました
若い男性がいて、仕事から抜け出してきた母も同席のもと、契約書を交わしました。
いろいろサインをしたり、ハンコを押したりしたのですけれど・・・何に対して押したのか、さっぱり覚えていません( ゚Д゚)
今思うと、バカですね・・・。

「社会人になったから、保険くらい入っておきなさい。」

と母から言われ、(そういうもんか。)と、何の疑いもなく、調べるでも比較するでもなく、
とりあえず言われた通りに入っておけばいいんだな、と契約したのです。
独身でしたからね、まだ保険なんて頭の片隅にも浮かんでいませんでした。

当時はまだ、仕事仕事の毎日。
ようやく夜勤明けで家から出る余裕が出てきたというだけで、遊ぶこともなければ、お金を使うこともありませんでした。

これといって遊ぶでもなく、自宅と職場の往復をしているだけだと、田舎暮らしの看護師ならお金に困ることはありません。
昔から裕福とはいえない家庭に育っていた私は、就職して毎月もらう給料を使い切るということがありませんでした。
使えなかったんですよね。
コンビニでお菓子を買うのも贅沢と感じるくらいで。

だから、8000円という金額は高く感じたけれども、保険は必要なものと言われたらこれくらい払うのが大人は当然なのかと思い、別に給料を使い切ってはいなかったので、素直に払い続けていました。

内容も知らずに入った人生初の生命保険
実の母が勧めてくれたものですから、間違いではありませんでした。
私が入ったのは、「養老保険」
はて、何でしょう?

保障内容を知ったのは、それから6年以上経過してから。 
まさかの妊娠中でした。

25週で切迫早産で入院!保険のありがたみを知る

27歳で結婚した私は、29歳で出産しました。
といっても、そこに至るまでには大変な道のりがありました。
妊娠した当時は、外来で正規職員として働いていました。
結婚前から体調面での問題があり、夜勤を外してもらっていたのです。

外来勤務は、病院内においては病棟勤務よりも楽なところとみなされがち。
実際、夜勤はないし、土日祝日はお休みです。
(土日は救急外来の待機当番があったので、完全休みではありませんでしたけれどね。)

しかし、外来勤務というのは少数精鋭でまわすところです。
病棟のように、たくさんの人数でまかなう仕事ではありません。
自分のブースは自分でまわす、それが基本です。
忙しいと、トイレに行くこともできませんでした。

私が妊娠当時勤務していたのは、外来の中でも患者数が多く、特殊外来まで含むと朝から夜まで激務の部署でした。
科によっては、午後は診察なしで翌日の準備や掃除をしてのんびりする・・・というところもあったのですけれど、若くして外来配属された私は一番の激務・時間外勤務もある外科に配属されたのです。

処置をするとなれば、ベッドに患者さんを寝かせたりという肉体労働もあります。
狭い外来の中を、ひっきりなしに動き周っておりました。
文字通り、走り回っていました。
おまけにスタッフの退職が続いて補充無し・・・という状況の中の妊娠で、身体を気遣う余裕はありませんでした。
でも、人間関係もよかったし、仕事が嫌で嫌で・・・ということは全くなく、だからこそ、無理をしてしまったのです。

ある朝、仕事に向かう車中から(お腹が痛いな・・・)と感じました。
しかし、自分が行かなければ仕事はまわらないし、同じ外科のスタッフは私以外は出勤がいつもギリギリだったので、私が朝早く出勤して掃除や診察の準備をしていましたから、行かないわけにはいきません。

とりあえずそのまま職場に向かい、着替えをし、部署まで歩いて行こうとした頃には、もう痛みがひどくて、手すりで支えながら歩く始末。
これはもうおかしいなと思いました。
何より、1日仕事のできる状況ではないと思いました。

自分の部署のスタッフが来るまで、30分以上あります。
我慢できそうになかったので、外来師長の部屋へ行き事情を説明しました。
「すぐに病院へ行きなさい」と言ってくれたため、私は自分の部署の人に会うこともなく、また着替えて、かかっていた産婦人科へと行ったのです。
(当時自分の勤務先の病院は、医師不足で産科を閉鎖。隣の市の病院に通っていたのです。)

運転できないなと思い、実家の母に頼んで病院へ連れて行ってもらい、検査を受けました。
お腹の「張り」を見る検査なのですが、産科のことが全くわからない私は、モニターを見ても、これが何を意味するか意味がわかりませんでした。

検査をした看護師が、モニターから出てきた用紙を見てギョッとしたのは、今でも覚えています。
そう、私は妊娠25週にして、7分間隔で子宮が収縮してしまうという、非常に危険な状態だったのです。
このままでは、切迫早産。 
まだ25週では、お腹の赤ちゃんは超未熟児もいいところです。

そのまま私は、車椅子に乗せられ病棟へ直行、緊急入院となったのです・・・(´゚д゚`)
自宅に荷物を取りに行くことも許されませんでした。

24時間、子宮の収縮を抑える点滴を行い、入院は2週間に及びました。
その後も自宅安静が必要との診断書が出て、結局私は自宅安静のまま産休に入ることになりました。

そして私はこのとき初めて、生命保険の給付金を受け取ることになったのです。

本当のところは、自分では全然気づいていなかったのですけれどね。
母が、「生命保険の請求をしなさい」と言ってくれたのです。
請求の仕方も知らないし、書類だって何が必要かわからない。
でも、仕事は休みになってしまったので、母に車に乗せてもらって病院やJAの店舗に行き、請求手続きを取りました。

その時の私の契約は、

  • 入院1日5000円
  • 手術1回10万円
  • 5年ごとに10万円
  • 死亡時?万円(忘れました・・・)

という保障内容でした。
というわけで、私は点滴と安静が治療だったので手術はしませんでしたが、2週間の入院で、7万円の入院給付金を受け取ることができたのです。
実際は、入院給付金の請求に必要な診断書作成に7000円程かかりましたので、6万円ちょっともらうことができました。

入院費の方が高かったのですが、それでも急な入院でしたから、いきなり入院費の支払を言われ、ガックリ。
それも出産という大きなイベント前の出費は抑えておきたいところ。
そんな時の入院給付金は、助かりました。

それまでかけていた金額にしたら微々たるものですが、それでもこの入院期間は特休扱いで給料も満額出たし、入院給付金も受け取ることができたので有難かったですね。
何より、そのまま堂々と産休に入れることがわかったので、不謹慎にも「ラッキー♪」と思ったのでした・・・。

保険の威力は、これよね

さて、2週間の入院に出産までの自宅安静。
これで無事に子供が産まれたかというと、そうではありませんでした~(;´∀`)

それまでまた切迫早産にならないようにと、25週で緊急入院してから大事に大事にしていたお腹の中の赤ちゃんは、なんと、予定日を迎えても産まれません!!

結局、41週になってしまい、またもや入院。
前回は「まだ産まれちゃダメよ」と点滴で子宮の収縮を抑えて、売店にも行ってはいけないくらい大事にしていたのに。
今度は真逆。
「早く出てきなさいよ」と、詰め物をしたり点滴で陣痛促進剤を使ったりで、もう大変。

しかし、朝から促進剤を使ったのに昼になっても産まれず、結局心拍が下がって来てしまい、今度は緊急帝王切開へ!!
いやあ、すごい展開でしたよ・・・。
待機室で朝から昼過ぎまで過ごして、陣痛でのたうち回ったあげく、今度は緊急オペとなったら急激に陣痛を止める点滴をして、手がぶるぶる震えて手術の同意書に書く文字まで震えた状態で手術室へGO!でしたから。

で、手術に切り替えてあっという間に誕生~。
3400gの立派な男の子です。

本来、お産は病気ではありません。
ですから、通常分娩の場合は全額自費ですから、保険が適応されません。

おまけにお産の時間と曜日によっては、金額が万単位で違います。
私が入院していた市立病院では、おおよそ35万から40万円と聞いていました。

これは、全国健康保険協会より給付される出産育児一時金とほぼ同額。
事前に申し込めば直接医療機関に健康保険から支払ってくれる直接支払い制度もありますから、安心して産んでくださいね、という意味ですね。

ところがですね、私の場合はちょっと違うんです。
私のお産の費用は、自費分と保険分がありました。
なぜかというと、お産は自費ですが、帝王切開に関する費用は手術ですから、保険が適応されるのです。
自費分がいくらで保険分がいくらで・・・というのは忘れてしまいましたが、合算して退院時の窓口負担は、25万円ほどだったと思います。

私はこのお産で、入院だけでなく手術も受けました。
ですから、生命保険の保障内容により、入院日数10日分の入院給付金と、手術一時金10万円、計15万円が支払われたのです。
3か月前に切迫早産の時の入院給付金を受け取ったばかりだったのに。

普段、20代の女性が何十万って単位のお金を扱うことがありませんから、この時は感覚が麻痺していましたね・・・。
25万円払って、40万円入って、15万円入って・・・普通の感覚ではいられません。

私は長男の妊娠から出産までで、なんと2回も給付金を受け取ることができました
そりゃあもちろん、何事もなく順調に経過して、通常分娩で出産することが望ましいのはわかっています。
しかし、私の場合、保険適応になった上に入院給付金と手術給付金まで受け取ることができたので、本来出産育児一時金でトントンになるはずの出産が、大幅にプラスとなったのです。

これがお産がらみでなかったら、出産育児一時金なんてありませんから、入院費は自分で負担しなくてはなりません(高額療養費制度がありますけれど)。
産休・育休はありませんから、仕事も休まなくてはなりません。
満額給料がもらえなくなるかもしれません。
そんなとき、生命保険から15万円も入ったら助かりますよね。

いやあ、有難いですねぇ。
まさか自分がお産で2度も給付金を受け取ることになるとは・・・。
母に言われて入った生命保険でしたが、「とりあえず入っておいてよかった~」と思ったのでした。