「本当に怖いのは、もしもよりも、もしもに備えていないこと」~実際の生保事例14~


10年前の自分は、今の自分を想像していたか?

今のあなたは、10年前に想像している生活を送っていますか?
今まで、10年先の自分を想像したことがありますか?

皆、今の生活が続くと思って暮らしています。
だってそうでしょう?
今の収入が続くと思うからこそ、住宅ローンにマイカーローン、教育ローンを組むのですから。

老後については、若い世代でも考えることがあると思います。

  • 年金はいくらもらえるのか?
  • 自分が受け取るときには、開始年齢は何歳なのか?
  • 年金だけで生活できるのか?
  • 年金をもらいながら、何歳まで働くか?

雑誌や書籍でも取り上げられることの多いテーマですからね。
『老後資金は〇〇〇万円必要』
なんて具合に。

でも、かなり先の老後のことは考えているのに、10年後というちょっと先のことは、意外に考えていないと思いませんか?
それは、10年後なら今の生活と変わらないだろうと思っているから。

私のような30代は、10年後だってまだバリバリの現役世代です。
40代も同じ。
50代はそろそろ定年を考えるようになるでしょうけれど、昨今は定年が65歳で普通ですし、そもそも定年を設けていない企業もあります。
そうなると、50代でも10年後はまだ現役。

だからでしょうか、定年を境に考えてしまうのは。
定年より後を「老後」と考え、定年より前に収入が減ることを想定していないのです。

それって、ものすごく危ないことだと思いませんか?
どこにあと10年後も今と同じ給料、今と同じ健康状態という保証があるでしょうか?

全然ないんですよ。
それを考えていない人、考えようとしない人がいかに多いことでしょう。
今回は少し、生命保険以外の「備え」について、お話してみたいと思います。

20代で“先”が見えた

今までにも何度かお伝えしてきましたが、私は成人型発症の喘息もちです。
それにいくつも病気が重なってしまい、今や私についている病名は4つ。
30代なのに。

どれも今すぐに命に直結はしませんが、完治もしません。
一生続きます。
毎月何度も、医療機関を受診しています( ノД`)シクシク…
体調を崩すと、休みなのに寝ておわりということもよくあります。

ところが私、うすうす感じていたんですね、この状況を。
まさかここまでとは思わなかったけれど、子供が成人するまでバリバリ働き続けるとか、キャリアウーマンとして生きることはできないだろうなって。

それに気づいたのは、25歳頃でした。
当時の病気は喘息だけでしたが、社会人になっても続けていたスポーツで、ベストなパフォーマンスを出せなくなっていました。

身体が温まると咳が出てしまうし、自主トレにランニングをしてもヒューヒューいってばかり。
自然と練習量は減っていき、成績も落ち、チームから離脱しました。

普段の生活でも、ほんの少しの風邪がやたらと長引きました。
夜勤明けは何もできずにベッドへ直行です。(当時は総合病院で3交代勤務をしていました)
子持ちのベテランさん達は夜勤明けで授業参観に行ったり、子供の世話をしたりしているのに。
独身の先輩達は、夜勤明けでそのまま遊びに行ったりしているのに。

体に無理がきかない・タフではないことに、25歳の頃にはもう気づいていました。
そして、(今の生活は10年もたないだろうな・・・)
そう感じていました。

病棟勤務そのものは、10年どころかその後すぐにリタイアしてしまいました。
昼間だけの仕事にしてもらうなど、なんとか働き方を工夫して、とりあえず正規職員としては丸16年働きました。

で、現在はどうしているかというと。
フルタイムの仕事が厳しくなってしまったので、パートタイマーとして働いています。
シングルペアレントの私が、あえて非正規の道を選択したのです。

これって、ものすごいリスキーだし、非常識ですよね。
いくら体調管理のためとはいえ、なぜ私は非正規の道を選べたと思いますか?
25歳で先は長くないと感じてから、少しずつ「もしも」の備えをしてきたからです

10年先を見越して、備えていることの安心感

一般的に「もしもの事態」と聞くと、命に関わるような癌や怪我などをイメージしがちですね。
でも、私にとっての「もしも」は、3交替勤務でバリバリ働いて今のままの給料をもらえなくなることだと考えたのです。
その時期は遠くない未来、10年もないだろうと。

そこで、少しずつ仕事が思うようにできなくなったときのための備えをしていったのです。
1つ1つはたいしたことではありませんけれどね。

<こんなことが、もしもの備えにつながる>

  • 現金を貯める、貯める“仕組み”を作る
  • 生活をシンプルにする
  • たくさん本を読む
  • 本業で外部研修に自費で参加、スキルアップを図る
  • 投資を始める(株・投資信託・FX)
  • ファイナンシャルプランナーの勉強をする
  • オークションで不用品を売る
  • ネットで副収入を得る
  • 生命保険を見直す

辞めてしまったものもあります。
しかし、これらが少しずつ成長して、今の私の生活を支えてくれています。

物を減らしてシンプルな暮らしをしながら、貯蓄額を増やしました。
不要なものをオークションで売るうちに、ネットバンクを活用するようになりました。
ネットバンクを活用してから、ネット証券に口座を開設して、投資を始めました。
そしてネットを更に活用して、副収入を得るようになりました。

生活を小さく・シンプルにして、自分に必要な最低限の生活費がわかるようになると、本当に倒れたり自分が死んだあとの必要額がわかるようになります。
そこで生命保険を見直し、(病気のせいで割高にはなりましたが)不足している備えに対し、新規にいくつか加入しました。

お金の勉強をする中で、年金制度のことも考えるようになりました。
厚生年金に加入できるラインを低くする制度が始まり、私はパートタイマーに踏み切りました。
制度を知らなければ、今度は老後の生活を危なくしてしまうところでしたし、正規で働き続けるしか道はないと思っていたでしょう。

シングルペアレント
病気もち
非正規社員

一見負け組ですね、これだけ並ぶと( ゚Д゚)
余裕はないけれど、子供1人育てるくらいはなんとかなるだろうって思っています。

それは、幾重にも備えをし、種をまき、育ててきたから。
10年先を見越してきたからこその安心感です。
そして、この安心感があるからこそ、非正規というダウンシフトすることを選択できたのです。

生命保険だけで十分なのか?

私の場合、キャリアのレールから外れた理由は病気でした。
でも、交通事故で障害を抱える可能性だってあるし、親の介護が必要になるかもしれません。
職場で上司と意見が対立して、左遷されるかもしれません。
女性の場合は、更年期障害がきつくて仕事と家事・育児のバランスがとれなくなる人も大勢います。

病気だけではなく、人生にはいろんな“もしも”があります。

でも、そのときを想像せずに、平和な今の暮らしがこのあとも続くと仮定して生活しているし、35年ローンを組んでいます。
それが、どれだけ怖いことだと思いますか?

私だって、少し間違えば貧困家庭、生活保護を受けなくてはならない状態です。
しかし、離婚や病気という危機を救ってきたのは、10年後を見据えてまいてきた備えです。
そうでなければ、今の私はいません。
病気だろうと、お金のため、更に体を悪くしながら夜勤をしていたかもしれません。

「もしも」に対する備えは、生命保険があると安心していませんか?
本当に、生命保険だけで足りるでしょうか?
命よりもう少し身近な「もしも」は、生命保険では対応できません。

いくら収入保障の保険に入ったところで、就労不能と保険会社が認めなければ、保険金は支払われません。
残業代がカットされたり、転職したせいでダウンした分の収入を埋めることは、生命保険ではできないのです。

生命保険は、本当に命に関わるような事態に陥ったときには、ものすごい威力を発揮します。
不動産会社の社長が6億円を手にした話<経験した実際の生命保険関連の事例04~「脳出血で億を手に入れた会社社長」~>でもお伝えしました。

一方で、自分が何の備えをしていなかったがために、高収入なのに生活費が底をついた
男性<経験した実際の生命保険関連の事例07~「“もしも”は突然やって来る!! 高収入夫妻を襲ったピンチ」~>もいました。

10年後、あなたはどうなっていると思いますか?
どうなっていたいですか?

前向きに考えることは、よいことです。
しかし、ただ前を向くだけではいけません。
ときには後ろを向いて備えをしておくから、普段は安心して前を向けるのです。

本当に怖いのは、病気やケガそのものではありません。
何の備えもせずに前だけ見ている、前だけ見ようとしている人なのではないでしょうか?