禁煙したら、保険がお得になるってホント!?
毎月の生命保険、家計にかかる負担は大きいですよね。
でも、生命保険には「健康有料割引」という、ちょっとお得な割引があるのをご存じでしょうか?
簡単に言ってしまうと、健康な人なら保険料を安くしますよ、という商品です。
持病のある人よりも病気になる可能性がデータ的に低いから、保険料も安くなるわけですね。
では、何をもって健康というのでしょうか。
三井住友海上あいおい生命は、下のような基準を設けています。
(三井住友海上あいおい生命 健康優良割引 より)
それだけ、喫煙による健康被害は大きいということです。
喫煙者の肺がんの発症率は非喫煙者の4.5倍にも及び、同様に虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症等)による死亡の危険性は1.7倍高くなるというデータもあります。
喫煙による健康被害については、
厚労省の喫煙と健康問題について簡単に理解したい方のために
をよーく読んで、理解を深めてくださいね。
たばこを辞めてごく普通の生活をしていたら、この基準を満たすことは可能だと思うのですが・・・
人間は年齢を重ねるだけでメタボになりますし、血管は弾力性を失って固くなるので血圧は高くなります。
意外と血圧139mmHg以下、BMI27以下は難しい基準なのかもしれません。
確かに、健康意識を高くもつなり、もともと不健康な生活習慣のない人なら、結果的に生活習慣病やそれに続く脳梗塞や心筋梗塞などにかかるリスクは低くなります。
20代のうちなら当然クリアできているこれらの条件も、30代になって家庭を持つ頃にはおなか周りに脂肪がついてきているかもしれませんね。
人生で2番目の支出ともいわれる生命保険ですから、できるだけ毎月の保険料は安く済ませたいですよね。
もしあなたが「健康」ならば、これらの保険商品も検討してもいいのではないでしょうか。
加熱式たばこは、たばことは言わない!?
近年、タバコは贅沢品になりました。
1箱400円もするタバコを2箱、それに缶コーヒーでも買えば、あっという間に1000円札が飛んでいきます。
しかし、それでも喫煙者が多いのは・・・なかなか非喫煙者である私達には理解に苦しむところですね。
昔は喫煙所での他部署と職員との情報交換が、仕事上役に立つといわれましたが、今の時代でタバコを吸わないことで不利になる・・・なんてことはありません。
医療機関では、施設内禁煙は標準になっています。
病院の敷地内に喫煙所を設けていると、病院機能評価という評価制度によって減点されてしまいます。
ですから、どうしてもタバコを吸いたいという職員は、昼休みに敷地外まで出る必要があります。
しかし、白衣なり病院の制服に身を包んだままで敷地外に出て喫煙する姿は、周囲から理解されません。
それに、ただでさえ短い休憩時間を、喫煙にかけるというのもどうかと思います。
高い・喫煙スペースがないにも関わらず、喫煙している人は大勢います。
最近では、煙の出ない新型たばこと言われる加熱式たばこが広まってきました。
これがまた、悩ましいくらいにスタイリッシュなんですよねぇ。
上の写真は、フィリップモリスのiQOS(アイコス)。
アイコスは、ケースをつけたりキャップの色を替えるなど、おしゃれも楽しめてしまいます。
しかし、煙が出ないというだけで匂いだってありますし、健康被害をゼロにしたわけではありません。
これは、公式ホームページ・パンフレットどちらにも書いてあります。
目立たないように、ですけれど・・・。
もう一つの加熱式たばこであるブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンのglo(グロー)も同様です。
スタイリッシュなデザインで、喫煙している姿が恰好よく見える・・・気がしなくもありません。
おまけに、これらの加熱式たばこのパンフレット、コンビニのイートインコーナーに置いてあるんですよ。
パンフレット自体がとてもキレイな作りになっているので、喫煙者でなくてもちょっと興味を持って手にとってしまいたくなってしまいます。
しかし、加熱式たばこがいくら煙と灰を出さないとは言え、たばこはたばこです。
そして、この加熱式たばこのデザインがよいことも、私は余計に喫煙者を増やしてしまうことになるのではないか・・・と懸念しています。
だって、今10代の若者があこがれてしまったら・・・将来の喫煙者を生み出すことになってしまうかもしれないから。
加熱式たばこについては、屋内規制をどのようにするかなど、まだまだ波紋がありそうです。
見た目のスマートさもあり、加熱式たばこは少しずつ広がりを見せています。
しかし、どんなに恰好よくてもたばこは健康被害をもたらします。
生命保険契約時においては、立派に喫煙者となってしまうことをお忘れなく。
どのくらいの期間禁煙したら、非喫煙者と言えるのか
従来の紙巻たばこも加熱式たばこも、どちらを愛用していても喫煙者には変わりありません。
制度としては加熱式たばこにニコチンの含有量を記載する義務がないとしても、害がゼロではないのです。
では、もし生命保険料を少しでも安くしようとあなたが健康有料割引のある商品に加入するつもりなら、どのくらい禁煙したらよいのでしょうか?
もしくは、愛煙家の夫に禁煙させるのは、どのくらいの期間が必要でしょう?
1か月?
3か月?
いいえ、1年です。
思ったより長いですね。
喫煙者が1年喫煙を我慢できたのなら、既に禁煙成功です。
これはこれで、保険の加入を問わず素晴らしい‼
ただし、割安な生命保険に加入するために1年間喫煙を我慢する人・・・現実には、ほとんどいないでしょう。
なぜかというと、それだけ強い依存性があるからです。
現在は保険適応で禁煙治療を受けられるようにもなりましたが、薬を使っても辞められない人は大勢います。
もし1年間辞められたのなら、生命保険に加入してからまた思いっきり吸うぞ!なんて思わず、これを機に完全に辞めることです。
コチニン検査で、嘘は絶対にバレる!!
ではここで、1年前に禁煙に成功したと嘘の申告をして、健康優良割引商品の契約を結ぶことは可能なのでしょうか?
もちろん、加入者の自己申告におまかせするなんてことはありません。
生命保険は膨大なデータから病気の罹患率や保険料などを算出していますから、そんな性善説に基づいた自己申告で契約し、安い保険料でいいにしてくれるなんてことがないのです。
契約者側は、1年以上喫煙していないことをどうやって証明するのでしょうか?
保険会社の人達は、どうやって非喫煙者であることを判断するのでしょうか?
医療機関では禁煙外来に通院中の患者さん達に、呼気中の一酸化炭素を測定する呼気一酸化炭素(CO)濃度測定を行います。
これは、たばこに含まれる一酸化炭素がどのくらい血液にのって体内に取り込まれているかを調べるもの。
検査結果は、ノンスモーカーレベルから超ヘビースモーカーレベルまで5段階に分けられます。
これで、おおよその喫煙状況・治療成果を判断するのです。
しかしこの検査、「実は我慢できなくて吸っちゃったんだよ~」という患者さんでも前回より値が低くなっているなど、現場では精度としてはどうでしょう?と首をかしげることがあります。
初回検査のときから、毎日ヘビースモーカーレベルの本数を吸っているのに数値としてはライトスモーカーレベルで出ることもしばしば。
ですから、生命保険会社はどうやって判断するのか、個人的にも興味がありました。
そこで調べてみましたら、ありましたよ~。
その名もコチニン検査。
これは、唾液中の「コチニン」の濃度を測定するものです。
ニコチンではないんですねぇ。
コチニンとは、タバコの煙に含まれるニコチンが体内で代謝された結果の物質。
これで、過去1年の喫煙状況が分かってしまうのです。
すごい技術ですね・・・。
こんな検査キットを使用して、生命保険加入時に調べるそうです。
(ただし、能動喫煙か受動喫煙かの鑑別はできません。)

(兼松ウェルネス株式会社 コチニン検査 より)
これでは、嘘をついてもごまかせませんね。
自分は本当に、検査を受けたって大丈夫!
と身の潔白を証明できる人は、非喫煙・優良体型の割引商品で生命保険の加入を検討してみるのもありです。
誰のための禁煙か?
ちなみに、加入したあとの喫煙はどうかというと・・・保険代理店の人に確認してみたところ、セーフだそうです。
あくまでも加入時における1年以内の喫煙がないことの証明だけで、「この先一生喫煙しません!」という契約ではないとのこと。
まあ、ライフスタイルというのはちょっとしたことで変わってしまいますから、
- 仕事が忙しくてイライラすることが増えた
- 同僚が喫煙者ばかりだった
なんて具合に、全く吸うつもりがなかったのにいつの間にか習慣になってしまった、ということは可能性としてはありえる話です。
私としては、契約したからには一生吸いません‼くらいの気持ちでいて欲しいと思うのですが。
喫煙による健康被害は、吸っている本人だけの問題ではないからです。
喘息患者の1人として言わせてもらうと、あなたの悪意ない煙で私達は戻ることのない気管支のリモデリングを起こします。
時々悲しくなるのが、子どもが喘息発作を起こして小児科を受診する親子。
お母さん、あなたからタバコの臭いがしますけど!?
子どもはお母さんが大好きです。
でも、お母さんに近づくと苦しい。
お母さんに嫌われたくないし、抱きしめて欲しいから、子どもは言えません。
お酒は、適量をたしなむ程度なら百薬の長とも言われます。
けれども、たばこには害しかありません。
おまけに、お酒よりもお財布に厳しい。
健康被害を減らして、毎月の生命保険の保険料を安くできるなら・・・使わない手はないのかも!?
たばこを辞めて!と言っても聞いてくれないご主人。
どのくらい保険料の総額が安くなるか、たばこそのものの金額と合わせて金額を出してみると納得してくれるかもしれませんね。
浮いたお金でお小遣いアップなどのコワザと合わせると、効果が上がったりして。
医療従事者としては、保険料を安くするということよりも、喫煙によって病気で苦しむ人や亡くなる人、悲しむ人が1人でも減ることを願っています。
医療従事者(看護師)ほど喫煙者が多いのも、これまた事実なのですけれど(>_<)