【既婚で子どもいない:パターン3】夫が専業主夫

※このページ・記事内容は女性看護師を対象にしています

子どもなしでも、女性の専業主婦は珍しくないけれど・・・

女性の社会進出が進み、夫婦共働きという家庭は珍しいものではなくなりました。
むしろマイホームにマイカー、子どもの教育費・・・などといった当たり前の支出をするには、今の時代では夫婦の収入を合算しなくてはかなわなくなっているのが事実です。

子どもがいると働きに出ることが難しい家庭でも、第一子の産まれるまでは妻も結婚前の仕事を続けるのが結婚した夫婦によくあるパターンです。
しかし、子どものいない状態で専業主婦になるのはどのような人でしょうか。
まずは妻が専業主婦の家庭について、考えてみましょう。

<結婚と同時に専業主婦になる理由>

  • 夫の収入があれば、あえて働く必要がない(夫が高収入)
  • 夫の仕事が勤務時間や休日が不規則で、妻が生活を合わせる必要がある
  • 夫(もしくは夫の両親)が、妻は家にいるべきという価値観をもっている
  • 実家(商売・農業)の手伝いをしている
  • 妻の体調不良(病気)
  • 親の介護
  • ボランティア活動など、やりがいをもっている
  • 資格取得の勉強をしている、大学院に通っている
  • 妊活

こんなところでしょうか。
つまり、

  1. 働く必要がない
  2. 働きたいけれど働けない
  3. 仕事以外にやるべきこと・やりたいことがある

ということですね。

日本ではまだ、夫が専業主夫のパターンは極少数でしょう。
妻の場合は子どものあるなし問わずに専業主婦でもおかしくないけれど、夫が専業主夫はおかしい・・・これが、まだ社会の大多数の意見ではないでしょうか。
海外では、夫が妻の転勤についていくのもよくあることのようですけれど。
男性の側からすると、「男は働くもの」という常識こそ逆に男女差別だ!と思われるかもしれませんねぇ。

専業主夫家庭の選ぶべき生命保険は?

理由はどうあれ、専業主婦・専業主夫どちらの家庭もまず一番に備えるべきは、大黒柱が働けなくなった場合や亡くなった場合です。

<大黒柱のもしもに、対応できる生命保険は?>

  • 死亡保険
  • 医療保険
  • 収入保障保険

まず検討するとしたら、このあたりになるでしょう。
子どものいない専業主夫の場合は、夫が一人遺された場合は夫が自身の生活費だけ稼げばよいので、妻が遺される場合よりも小さい保障で済むかもしれません。

ただ、妻が病気を抱えながら働き続ける場合のことも考えると、医療保険も検討しておきたいところですね。
ただし、医療保険は死亡保険よりも<よくある生命保険のムダ03「保険金不払い条項が多すぎる」>でお伝えしているように保険金や各種給付金の下りないケースもかなりあるので、保険料が無駄になってしまう可能性もあります。

確実に貯蓄しておくか生命保険に加入するか、ここは価値観に大きく左右されます。
しかし、入りたかったのに入れなかった・・・とならないためにも、加入するかどうかは別として、若くてまだ持病のないうちに夫婦で検討すべきでしょう。
また、夫の方の医療保険や死亡保険をどうするかについても、妻と同様に早めに検討しておきたいところです。

このまま子どものいない夫婦だけの生活を一生続けるのであれば、老後の分まで妻が稼ぐことになります。
個人年金や確定拠出年金、投資信託など比較的新しい金融商品も含め、どれで将来やもしもに備えるのか広い視野で検討してもらいたいと思います。

一番の保険はダブルインカムにあり?

かなりレアな専業主夫の家庭ですが、いざとなったら子どももいないし夫が働けるのですから、抱えるリスクは<生命保険との向き合い方・選び方×職業>でお伝えしているどのパターンよりも小さいかもしれません。

また、もしもの備えは生命保険だけとは限りません。
夫に病気や介護などの働けない理由が存在しないのであれば、夫婦二人で働いて収入を得るのが、一番の保険になるかもしれません

例えば、夫は妻を支え家事全般をこなすためにパートで仕事に出るとします。
(完全に、一般の世間と反対です)
ここで、パートの収入を全て貯蓄に回しておきます。
正規職員の看護師なら夫婦二人の生活費は十分稼げますから、分相応の生活をしていれば妻の収入に頼る必要はありません。

夫のパートが手取りで月に5万円だったとすると、年60万円。
5年続ければ、300万円にもなります。
これに妻の側のボーナスも足すと、1年で150万円くらいの貯蓄が可能でしょう。
これなら5年で750万円です。

先進医療などの特別な治療を除き、これだけの現金貯蓄があればどちらが病気にかかったとしても、たいていの治療が可能です。
もし妻が危機的状況に陥って働くことができなくなった場合も、これだけ貯めてあれば夫婦で1~2年暮らすことは可能です。

収入保障保険のように何年も受け取れる保障はありませんが、1年あれば夫が新たな就職先を探して大黒柱に転身することも可能です。
となると、こどもなしで夫が専業主夫の家庭における一番の保険は、夫にも働いてもらうことによるダブルインカムかもしれません。

将来に過度な不安を抱いて高額な生命保険に加入する<生命保険が「人生で2番目に高い買い物」になるかどうかはあなた次第!?参照>よりも、ある意味リスクの少ない堅実的な方法です。
預貯金は自分達の貯めた分しか使うことはできませんが、住宅購入の頭金・病気の治療費・親の介護費用、どれにでも使うことができます。

あえてレアな専業主夫でいることの理由は?

子どもが生まれたあとの専業主夫家庭については<【既婚で子どもがいる:パターン3】夫が専業主夫>でお伝えしていますが、保育園や保育料問題も出てきますから、一概に夫も働けとは言えません。
しかし、子どものいないうちならばどちらかが仕事をセーブして家事全般を担い、片方の仕事を支えるスタイルでダブルインカムを維持するのが、一番確実なのかもしれません。

今の時代、パソコンが1台あれば何かしらの収入を得ることが可能な時代です。
決まった時間に会社に行かなくても、収入を得ることは可能な時代になったのです。
コンビニのバイトも介護職員も、常にスタッフを募集しています。
つまり、選り好みしなければ仕事はあるということです。

妻の仕事を支えるために仕事をセーブするとしても、夫が全く働かない理由は何でしょうか?
<結婚と同時に専業主婦になる理由>に出て来るように、どうしても働けないか前向きな理由があって専業主夫になるのは、男女の役割が反対になっただけなのでかまわないと思います。

しかし、高給取りの妻の収入をアテにしていて働かないという男性(34歳年収650万女性看護師が貯金ゼロの理由:東洋経済ONLINE)は、ちょっと考えるべきかも・・・。
看護師は公私ともに頼られやすい職業なので、実はたまにいるのです。

この場合、生命保険で将来のことを考えるよりもまず夫に少しでも「お金を稼ぐ意識」をもってもらうことが必要でしょう。
同様に、専業主婦の女性も子どもがいないのであれば、できるだけ働くことでもしもに備えて欲しいなと思います。

生命保険も働き方も、価値観は人それぞれ。
正解はありません。
仕事をバリバリしたい女性がいるならば、家事をきっちりこなしたい男性もいるでしょう。

子どもがいない夫婦なら協力し合ってダブルインカムにするのが、一番のリスクヘッジ・・・だと思いませんか?
生命保険は、そのあとで考える問題かもしれませんね。

全てを生命保険に頼るのではなく、リスクのうち「想像できない“もしも”の部分だけ」生命保険に頼るという考え方をしてはいかがでしょうか
生命保険は万能ではありませんし、100%確実に保険金や各種給付金・年金が受け取れる保障はありませんからね。