看護師の年収を超える夫は、優良物件!?
結婚して夫の方が妻よりも収入の多いことは、ごく普通のことです。
ただ、看護師としては普通ではないかもしれません。
看護師は初任給が一般的には高いので、若いうちに結婚すると夫よりも自分の方が高くなってしまうことが多いです。
夫がよほど高給取りか、キャリアを積んで給料が高くなってくる40代を超えて来ると世間並に妻の方が少なくなります。
看護師の妻より夫の方が年収の高いのは、どちらかのパターンですね。
- 本当に夫の年収が高い
- 自分がフルタイムではない(もしくは仕事をセーブしている)
前者は、看護師の中では「いい人捕まえたね」って感じです。
正規で働く看護師の給料を超えるということは、学歴があってかなりの年収であることを意味していますから。
実際、自分の方が夫よりも収入が高くて、子どもの扶養を自分に入れている看護師は大勢いるのです。(私もそうでした)
結婚生活は収入で幸福度が決まるわけではありませんが、看護師の自分より収入の高い夫は「優良物件」なのかも・・・。
奥様に潜むリスクは?
私達看護師は独身時代に自由に使えるお金が比較的高いので、結構贅沢な暮らしをしてしまいがち。
ブランドもののバッグに、ブランド物の服。
おいしいと聞けばどこでも食べに行くし、海外旅行だって毎年行けないこともありません。
子供のいないうちは、それぞれ一定金額なり住居費など決まった項目の負担を決め、残りの給料は自分で自由に使っている夫婦別財布の家庭が多いでしょう。
すると、妻の1か月のお小遣いが10万円にも20万円にもなるでしょう。
夫の方は収入が更に高いので、毎月の生活に困ることがありません。
そうなると、どういう問題があるでしょうか?
お金のかかる奥様の出来上がりです。
では、子どもが生まれたあとはどうなるでしょうか?
今のまま働くことができるでしょうか?
もし職場復帰するとしても、今まで通りのペースではなくてパートや育児短時間制度を使うようになったら?
自分の収入がガタンと落ちます。
それまで旦那の給料があるからいいや~と好き放題に暮らしていた場合、貯蓄もありません。
夫の収入で暮らすようになった場合、これまでの贅沢な使い方をすることはできません。
また、夫の収入をメインにしていた場合、もし夫に何かあった場合には生活に行き詰まる可能性があります。
社会人になって最初から大きなお金を手にしているので、看護師は浪費家が多く、今より少ない収入で暮らすことになったときに、うまく適応できないことがあるのです。
有料物件の旦那様に、自由に使えるお金のある奥様。
贅沢三昧なのは、今だけかも・・・?
社会保障をアテにし過ぎてはいけない
DINKS夫婦は、このままずっと子どもがないまま夫婦2人で暮らすことになるのか、それとも数年後に子どもが生まれるのか、はたまた子どものいないまま離婚するのか・・・どれに進んでもおかしくありません。
先がわからないので、どのように備えたらよいかわからないかもしれません。
けれど、こんなことが起こったどうなるでしょう?
- 夫が病気になって退職した
- 夫が障害を抱えた
- 夫が鬱で退職した
- 夫が亡くなった
こんなとき、あなたは自分の収入の範囲内で生活し、夫を支えることができるでしょうか?
子どもが生まれていたら、自分の力で子どもを守ることができるでしょうか?
大黒柱である夫が亡くなった場合には、遺族年金もありますよね。
国の制度は有難いですけれど、それまでの贅沢な生活を維持するだけの金額をもらえるわけではありません。
そんなことをしたら皆が税金を納めたくなくなるし、働かなくなりますよね。
誤解してはいけないことは、遺族年金は基本的に残された子どものためのものだということ。
ですから、子どものいない妻の場合は支給要件が厳しくなります。
子どもがいないのなら普通に働いて、自分の食い扶持は自分で稼げばよいのですから。
<よくある生命保険のムダ05「公的な社会保障を知らない」>の中で社会保障のありがたみはお伝えしていますが、これだけに頼ってもいけないのです。
どの家庭にも、その家庭なりのリスクがあります。
ですから、それぞれのリスクが現実のものとなったとき、何に助けを求めるかということになります。
生命保険に頼れるものは、頼っておきましょう。
基本的な死亡保険は子どもがこの先できなかったとしても、夫の死後の葬式や生活のために必要ですから、入っておいて間違いはないでしょう。
また、医療保険もどんな病気になるかわかりませんから、検討の余地があります。
更に、夫と自分の収入の差が大きければ大きいほど、夫の収入を頼っていたということになります。
夫の生死を問わず、その収入がなくなったときのために収入保障保険も検討してもよいかもしれません。
ただし、生命保険というのは必ず得をしたり、元が取れるようになっている商品ではありません。
生命保険は加入者全員がお金を出し合うことによって、他人のもしものときの保険金を積み立てています。
自分はもらえずに終わってしまう可能性もあります。
また、医療保険や収入保障保険の場合、各種給付金や年金を請求しても条件を満たさずに不払いとなることもあります。
夫のもしもに対する備えの全てを生命保険に依存することは、無駄なお金を支払うことになったり、欲しい時に受け取れずに何の助けにもならなかった・・・ということにもなりかねません。
ですから、夫のもしもの時のために自分が何をすべきか考えてみましょう。
<夫の非常事態には、何で備える?>
保険で備える
- 亡くなったときの死亡保険
- 病気やケガの保障をしてくれるための生命保険
- 収入が途絶えた時のための収入保障保険
自助努力で備える
- 自分が生活を維持する(大黒柱になる)ための、覚悟とスキルを付けておく
- 贅沢に慣れず、必要な生活費をできる限り小さくしておく
大黒柱とおひとり様になる覚悟はあるか?
私の職場にも過去、DINKS夫妻で自分の給料は自分のお小遣いだと断言していた人が何人かいました。
子供がいないので、家事に支障のない程度働く分には夫がどうこう言うことはありません。
ですから、本当に「お小遣い稼ぎ」に仕事をしていましたね。
しかし、看護師は正規だろうがパートだろうが、大黒柱だろうがお小遣い稼ぎだろうが、命を預かる仕事をしていることには変わりありません。
看護師の職務形態で、患者さんは看護師を比較することはありません。
けれども私達は、職務形態で仕事に対する姿勢が変わっていないでしょうか?
子どものいない今こそ、経験とスキルを身につけるべきではないでしょうか。
夫の収入が頼れなくなって自分が大黒柱になることがあったとき、そんな働き方で今よりも収入を増やすことができるでしょうか?
それだけの価値とスキルのある看護師でしょうか?
夫に何かあったときなんて、縁起でもないことを考えるのは嫌かもしれません。
しかし、もしそうなった時にどうすればよいか、あらかじめ道筋を作っておくことは悪くないと思います。
もしもの時に道に迷わずに済むし、最悪のことをシミュレーションしていると自然と無茶なお金の使い方をしなくなるし、現実そうならないものです。
いくら頼りになる夫がいて、今のところ育児のせいで仕事をセーブする必要がないとしても、この先どうなるかわかりません。
せっかく看護師という資格を持っているのですから、常にブラッシュアップして自分の価値を高めるように努めてほしいと思います。
自分の価値が高まるということは、すなわち夫に何かあったときの保険にもなるのですから。
<【既婚で子どもいない:パターン1】共働きで夫よりも収入が多い(自分が一家の大黒柱)>でお伝えしているように、リスクに対する備えというのは、生命保険で対応できるものの方が少ないのかもしれません。
私の先輩は、子どものいないまま離婚しました。
救急のスペシャリストだったので、すぐに現場で必要とされる人材でした。
結婚生活の間はセーブしていた仕事も、地元に戻ってきて古巣でバリバリ働くようになり、おひとり様生活を生き生きと過ごしていました。
先輩の場合は、生命保険ではなくて自分自身が一番の保険だったのでしょうね。
いつ自分が大黒柱になるかもしれない。
おひとり様になるかもしれない。
幸せなDINKS夫婦も、頭の隅にはおいておくべきかもしれませんね。