あなたの収入は、生活費の何割にあたりますか?
私達看護師は、正規職員としてフルタイムで働くと、同年代の事務職よりも高い収入になります。
更に夜勤をこなせば、夜勤1回ごとに夜勤手当が付くので、夫よりも収入が多くなることもあります。
世の中には、看護師の給料をアテにしてしまう男性もいます。
事実、看護師なのにお金が貯まらないとファイナンシャルプランナーに相談にいくケース(34歳年収650万女性看護師が貯金ゼロの理由:東洋経済ONLINE)もあるのですから。
夫があなたより稼いでくれるのなら、それは非常にありがたいことです。
もし自分が夜勤ありのフルタイム勤務であれば、恐らく年収は600万近くになるでしょう。
夫の収入が自分より高いということは、世帯年収は余裕で1000万円超えですね。
この場合、生活の全てが世間一般よりも「ワンランク上」を選ぶことが可能です。
家も少し大きくて、車も少し高いグレードで頻繁に買い替えて服もブランド物、教育費は惜しまない・・・。
ただし、このような高収入世帯は毎月確実に手取り50万円以上が振り込まれるので、「翌月までもてばいいや」という気持ちになってしまい、実はなかなかお金が貯まらないもの。
もしあなたの収入がなくなってしまったら、どうなるでしょう?
常にワンランク上を選んで“メタボ”化した家計は、急に生活費を減らすことができるでしょうか?
あなたの手取りが月10万円で夫の手取りが月40万なら、生活費の割合は1:4です。
でも、あなたの手取りが月30万で夫の手取りも30万、ボーナスの差で夫の年収が多くなるという場合は、普段の生活費の割合は1:1です。
もしあなたが仕事を続けることができなくなった場合、生活費が半減するということです。
家計のリスクを考える際は、夫婦の担っている生活費の割合によってもしもの備えを変えるべきではないでしょうか?
あなたの家庭はアリとキリギリス、どっち?
<経験した実際の生命保険関連の事例07~「“もしも”は突然やって来る!! 高収入夫妻を襲ったピンチ」~>でご紹介したケースのように、高収入の家庭は毎月入ってくる給料も当然高いので、次の月までやりくりすればまたお金は入るとばかりに、毎月使い切ってしまう傾向にあります。
それでいてボーナスを全て貯蓄するわけでもなく、ボーナスはボーナスでより大きな買い物をしてしまうのです。
あなたの収入を超える額を稼ぐ夫は大変心強いし、頼もしい存在です。
しかし、もしあなたがフルタイムをしていて毎月の生活がいつも「トントン」の場合、あなたが何らかの理由で退職したときの備えは、できているでしょうか?
お金はあると使いたくなるものです。
家事・育児と両立しながら働き続けることは、生半可な努力ではできません。
だからこそ、普段頑張っているご褒美が高くなるし、生活水準も上がってしまう。
これでは、生活水準を上げたから働くのか、いっぱい働いたから贅沢をしているのかわからなくなってしまいます。
今の時代、20代男性は年収300万円代でも珍しくありません。
しかし、堅実な今の時代の若い人の中には年収300万円代でも毎月コツコツと、しっかり貯めることのできる人もいます。
仮に毎月2万円の積み立てと、ボーナスの全額を貯蓄していた場合、10年でいくら貯まるでしょうか?
ボーナスも総じて低いことが多いので、年2回で手取り50万円だとしましょう。
(2万円×12か月+50万円)×10年=740万円‼
年収300万円男性でも、やりくりが上手な場合は33歳で740万円の貯蓄があります。
これなら、もともと年収300万円そこそこで月20万円で生活しているので、3年分の生活費になります。
一方で、<経験した実際の生命保険関連の事例07~「“もしも”は突然やって来る!! 高収入夫妻を襲ったピンチ」~>の家庭は、大黒柱の夫が病気療養をすることになったとき、当座の生活費が全くありませんでした。
コツコツ貯めるアリと先のことを考えないキリギリス、あなたの家計はどちらのタイプでしょうか?
今あなたがパート勤務などで仕事をセーブしている場合、夫にもしものことがあったらフルタイムにすることが可能です。
いざとなったら自分が仕事を増やすことができる、稼ごうと思えば稼げるというのは非常に大きな備えであり、保険となります。
あなたの収入が生活費に占める割合の少ない場合は、あなたに何かあったとしても少し生活を切り詰めるだけで乗り切れる可能性は高いですね。
逆に夫に何かあった場合には、あなたが大黒柱に転身することでピンチを乗り切ることもできます。
ですから、夫婦どちらもフルタイムでガッツリ稼いで、そのお金を使いきってしまうキリギリス家庭よりも、妻が仕事をセーブしていてもやりくりできている家庭の方が、実はリスクが少ないと言えるのかもしれません。
教育費には、3つの特徴と貯め時がある
子どもを抱える夫婦が備えるべきなのは、まず日々の生活費と教育費ですね。
夫もしくは自分が働けなくなって収入が減ったとしても、子どもにみじめな思いはさせたくありません。
金銭的理由で大学進学や希望する進路をあきらめさせたくないと思うのも、親なら当然のことでしょう。
子どもの教育費には、他の支出にはない特徴があります。
<意外とみんな、意識していない!? 教育費の3つの特徴>
【1】毎月一定額がかかること
【2】イベントのある年は、生まれた時点で決まっていること
【3】大学進学でドカンとかかること
【1】は毎月の保育料や学校給食費、習い事などですね。
小さいうちには、オムツなどの雑費もバカになりません。
小学校入学や中学校入学など、物品や制服の購入などでお金のかかる年は②の通り決まっています。
そして教育費最大の難関は、最後に来る③の大学進学です。
ですから、教育費は【1】で使い過ぎずに【2】と【3】に備えて貯めていくこと、これが基本です。
意思が強いのなら、コツコツと一定額を貯めていくのもよいでしょう。
でも、あると使ってしまうのがお金というものです。
そこで、強制的に貯める仕組みを作るのです。
<今からでも遅くはない!強制的に貯める仕組みを作ろう>
- 教育費専用の積立
- 定期預金
- 子ども保険
- 子どもの人数分の死亡保険
- その他金融商品(投資信託など)
家計再生コンサルトタントとして数多くの著作をもつ横山光昭さん(横山光昭公式ブログ)は、なんと1男5女6人のパパ。
その横山さんは生命保険を、教育費ともしもの備えの2役に活用しているそうです。
それぞれの子どもを受け取り人にした生命保険に加入することで、大黒柱である横山さんに何かあったときに子どもそれぞれにお金を遺すことができます。
それを10年満期で貯めれば、小学生の間に払込が完了します。
大学進学時にお金が必要になったとしても解約返戻金がありますから、それなりのまとまった金額になります。
生命保険も使い様によっては教育費になる、ということですね。
金融商品も、もしもの備えになる
教育費を生命保険で・・・となると子ども保険が一般的ですね。
メジャーではありませんが、不足の事態の備えを生命保険ではなく、金融商品で対応する方法も実はあります。
1つの例として、子どもが生まれた年から毎月5000円や10000円分と毎月定額で投資信託を購入する方法。
元本保証はありませんが、手数料のかからないノーロードのインデックスファンドを活用すれば、高校卒業までの18年分の積立購入&複利運用により、利益の出ている可能性は高くなります。
ひょっとしたら、純金積み立てなんて方法も使えるかもしれません。
ちなみに投資信託では、契約者が亡くなっても時価評価額以上にはなりません。
解約はいつでも自由ですが、時価評価額の低いところで解約してしまうと損します。
一方で生命保険は、払い込んだ額以上の保険金を受け取れる可能性があります。
途中で払い込みができなくなってしまったら、払込金額よりもぐっと低い解約返戻金で解約することになり、結果としては損することもあります。
投資信託も生命保険も、いずれも無理して契約するべきではありません。
途中で挫折しないことが重要です。
臨時出費が重なったとき、貯蓄用と思っていたお金を下ろしたり解約した・・・という経験はありませんか?
それを避けるにも、ちょっとしたポイントがあります。
<コツコツを続ける、3つのポイント>
- 貯蓄分を生活費と切り離しておく⇒銀行口座を別にし、給料日に自動送金
- 固定費を削り、それと同額を貯蓄にまわす⇒感覚的には、毎月の支出は同額になる
- 「子どもの教育費」とお金に色をつける⇒これに手を付けたら「サイテー!」です
毎月5000円の威力はスゴイです。
けれども、5000円使うことは簡単です。
5000円節約することって、共働き家庭においてはそんなに難しいことではありません。
外食を1度辞めるとか、なんとなく欲しいなと思っただけの服を買わないとか、そのくらいで可能な金額ですよね。
読んでいない雑誌の定期購入や観ていない有料放送を辞めるだけでも、月に5000円を確保することは可能です。
いかがでしょうか?
まずは日々の生活を見直し、何で貯めるか・何で備えるかを決めましょう。
仕組みを作ってしまえばコツコツ貯めることはそう難しいことではありませんし、ほんの少しの工夫でできると思いませんか?
生命保険や金融商品を検討する際には、ライフプランやキャリアプランの作成も必要です。
夫との家族会議(年齢によっては子どもも交えて)を開き、自分の働き方も含めてじっくり検討しましょう。
健康なうちなら生命保険も安く入れるし、教育費が高くなる前に積み立てを終了することも可能です。
また、全てを自分達の預貯金で乗り切ろうとはせず、<よくある生命保険のムダ05「公的な社会保障を知らない」>のようにもしもの時に受け取れる公的保障の存在も考慮しましょう。
大黒柱である夫の身に何かあった場合、何を受け取ることができるのか把握していますか?
使ってしまったお金と時間は取り戻せませんし、もしもの事態はいつやってくるかわかりません。
そうなった時に、子どものためにも不安を抱えないで済むようにしたいですね。