「花粉症」でも生命保険や医療保険加入時に申告が必要?

花粉症と告知義務

花粉症は、国民病!?

あなたは花粉症ですか?
家族に花粉症の方はいますか?
我が家は、私も小学生の息子も花粉症です。
本格的に始まると、内服薬だけではなく、目薬と点鼻薬も必要になります。

花粉症は、アレルギー対象となる植物の花粉が飛散する季節になると、くしゃみと鼻水で集中力が低下します。
仕事のパフォーマンスも、勉強の成績も、シーズンオフとくらべたら明らか。

それでいて、薬を飲めば眠くなる・・・。
「眠くならない」とうたっている薬も、全く眠気がこないわけではありません。
それに、鼻水とくしゃみのひどいときって、熱はないのにぼーっとしたり、熱っぽい感じがするもので、集中力が下がってしまいます。

では、現代の日本人に、花粉症患者はどのくらいいるのでしょうか?
厚労省が組んだ「花粉症特集」花粉症の疫学と治療そしてセルフケアで、『スギ花粉症の有病率は全国で20%を超える』と発表しています。

地域性もありますが、スギがさほど多くない北海道まで含めてのデータなので、多い地域では20%どころではないでしょう。
ですから、最低でも5人に1人、地域によっては4人に1人もしくは3人に1人が花粉症ということになりますね。

花粉症は、国民全体の生活を脅かすもの。
厚労省が花粉症特集を組んだり、環境省が花粉症環境保健マニュアルなどを作成するのも、日本人の多くが花粉症に悩まされており、その根本的な治療法がないからなのです。

花粉症は、告知の必要があるか?

罹っているのが当たり前になっている時代です。
そして、花粉症でも仕事はできる(成果は下がっても)し、命に直結するようなことはありません。

では、病気ではないか?といえば、病気です。
病名がつくからこそ保険が適応されて、多くの人が3割負担で花粉症の薬を処方してもらえるのですから。

しかし、あなたは病気があるかと問われると、そういうイメージはありませんよね?
花粉症で薬を飲んでいる場合、生命保険に新規加入の際に、告知するか悩む方もいます。

一応薬を飲んでいるので、「持病あり」になってしまう。
そうしたら、引き受け拒否か、保険料が高くなってしまうかも。
保険料はずっと続く固定費ですから、何十年も積み重ねれば大きな差です。

それなら、黙っておこうかな・・・そう思いたくなる気持ちもわかります。
また、悪気なく花粉症が持病という観念すらないこともあります。

では、花粉症に罹っている人は生命保険に加入するとき、どうしたらよいでしょうか?
花粉症のとらえ方は、生命保険会社によって見解が分かれます。

<生命保険各社の花粉症に対する扱いはバラバラ>

  • 花粉症は、告知すらいらないA社
  • 花粉症でも、処方内容や受診歴を告知するよう求めるB社
  • 処方内容や治療内容によっては引き受け拒否のC社

告知すらいらないなんて大雑把というか、太っ腹なA社。
それに対し、厳しすぎると思わざるをえないC社。
かなり対応が違いますね。

「漢方薬」でもダメ!?生命保険の加入>で、冷え症の女性が漢方薬の処方を年単位で継続しており、引き受け拒否されたケースをお伝えしました。
漢方薬の処方ですら引き受け拒否とした、厳しい基準をもつ共済保険。

「保険料が安い=リスクの高い人を徹底的に排除」している共済ですから、花粉症への対応は上に挙げたC社だと思うでしょう?
それが違うのです。

共済保険は、花粉症OKなのです。
それも、医師の診断書すら不要です。

都民共済 健康告知内容にも、『下記の「健康告知内容」に該当する方(花粉症は除きます)は、ご加入いただけません。』となっています。
告知した上で加入できるのか、それとも告知すら不要なのか、はっきりしない文面ではありますが。

そもそも、都民共済では健康状態の告知については、医師の診断書は不要。
どうせ花粉症の治療なんてたかが知れてるし、調べるだけ無駄だから書かなくていいよ、ということなのでしょうかね。
それなら、堂々と告知しておけばよいですよね。

ちなみに、アフラックでは、花粉症は告知不要とはっきり明記されています。
以下はアフラックのある保険商品における告知が不要なケースです。

  • 入院または入院予定のない花粉症および水虫(白癬症)
  • 医師への受診のない健康増進のための行為 (市販のビタミン剤の服用など)
  • 医師への受診がなく、医師から処方されていない市販薬の使用
    (かぜ薬・胃腸薬・頭痛薬・目薬・湿布薬など)

花粉症と水虫は、告知すら不要なんですね。
しかし、(アリコではないですが)花粉症でも新規加入がダメだったケースも、実際に存在します。

どういうことかというと、1年間通して内服治療をしている場合OUTになるようです。
これは、本人は花粉症だと思っていても(植物の花粉は、年中飛んでいますからね)、年中内服していることで、花粉症ではなくて、アレルギー性鼻炎ととられた可能性があります。



あなたは花粉症?それともアレルギー性鼻炎?

アレルギー性鼻炎と花粉症、違いはなんだと思いますか?
アレルギー性鼻炎は、何等かのアレルゲンに対して鼻炎症状を引き起こす病気です。

ペットのダニやホコリが多いのですが、アレルゲンの中には花粉もあります。
つまり、花粉症はアレルギー性鼻炎の中の一つとも言えるのですが、季節限定。

正直なところ、これらを分ける意味があるかどうかは微妙です。
治療は基本的に同じなので。(重度になると違います)
でも、生命保険会社からすると、季節性で終わらず年中内服している状態は、“ただの”花粉症とは言えない、ということですね。

加入させておいてあとから「あなたは花粉症ではなくてアレルギー性鼻炎、だから告知義務違反でしたよ」と言われることはあるのでしょうか・・・?
ないとも言えません。

せっかく保険料を支払うのですから、告知義務違反として保険金や各種給付金が支払われないとか、解約解除にされるのは避けたいもの。
ですから、たかが花粉症であっても、一応全ての内服状況を告知してしまうのがやはりベスト。

もしそれで保険料が高くなってしまうのなら、その保険は見送ればいいのです。
下手に隠して、あとから支払いませんと言われるよりいいですね。

こんな裏技もあるけれど・・・基本は堂々と加入したい

また、おススメ度としては低いのですが、花粉症で困っていて薬は飲みたいけれど、既往歴は残したくないという人に使える方法があります。

花粉症は季節性ですから、軽い人なら春だけで済みます。
その時期だけ、市販薬で対応するのです。
市販薬は保険が適応されないのでめちゃくちゃ高いです。
でも、数か月だけ・・・と割り切れば、いいかもしれません。

2017年からはセルフメディケーション制度も開始され、(個人的には)ドラッグストアでの薬を国が奨めているように思えます。
まあ、それだけ市販薬が安全で効果の高いものになった、ということでもあるのですけれど。

市販薬を使えば受診歴は残りませんし、告知する必要もないでしょう。
どうしても生命保険会社に知られることなく、既往歴のない状態で生命保険に加入することを強く望むなら、市販薬で乗り切ることも可能です。
確かに、毎月の保険料が安くなるのなら良い方法かもしれません。

しかし、私はこの方法をあまりお勧めしません。
なぜなら、本当に花粉症かわからないから。
耳鼻科を受診して、問診や鼻の粘膜の状態を観てもらって花粉症と診断がついたならよいのですが、自己判断での診断はあてになりません。

また、既にお伝えした通り、花粉症なら告知不要の会社もあります。
それなら、しっかり耳鼻科を受診して薬を処方してもらい、堂々と加入できる保険商品を選ぶ方がよいですね。

できるだけ安い生命保険を選ぶのも、生活防衛手段の一つとしては有効です。
しかし、一番大切なのはあなたの健康です。
安くてお得な保険を探したくなる気持ちもわかりますが、何が一番大切か、そこはズレないようにしましょう(*^-^*)