「保険屋さんに聞く、保険業界の裏話」~実際の生保事例06~

保険の嘘とホント

高い買い物だからこそ、保険屋さんもじっくり選ぼう

今から新規で生命保険に入るなり、今の生命保険で保障は十分なのか見直しをするとしたら、あなたはまず誰に相談して、どのようにして入りますか?
恐らく、誰かしらの保険屋さんに相談するのではないでしょうか。

では、その保険屋さんは、どうやって探しますか?
こんな方法が考えられるのではないでしょうか?

  • 電話帳で調べる
  • 店舗に行く
  • 知り合いに紹介してもらう
  • 仕事上の付き合いがある保険会社(代理店)
  • 職場で団体契約している保険会社(代理店)
  • ネットにしぼる(相談はしない)

生命保険の窓口って、いろいろありますよね。
今や代理店はデパートの中にさえ入っていますし、ネットでも生命保険に加入できるようになりました。
ここでは、単独の〇〇生命とかではなく、いくつもの会社の商品を扱っている代理店を基準にお話していこうと思います。

生命保険は奥が深いし難しいし、結局は代理店のセールスマン(レディ)に相談して、その人が勧めてきた保険に入る・・・ということが多いと思いませんか?
自分で、「〇〇生命会社の□□という商品に入りたい」と、実際の商品まで調べて決められる人って、いないのではないでしょうか。
今どき会社の中に入って来て、仕事中に売り込むセールスレディはいないと思いますが・・・まさか、職場で声をかけられて販促品を受け取り、断りづらくて入った、なんてことはありませんよね?

私も今では、生命保険については本業ではない割に結構興味を持って調べている方だと思います。
しかし「考えるポイント」を知っているというだけで、具体的な保険商品については全く知りません。
ですから、やはり私も保険について検討する問いには、プロに相談しています。

しかし、その“プロ”である保険代理店の人というのは、どういう人でしょうか?
人生でトータルすれば数百万から数千万円もの買い物ですから、信頼できる人から買いたいですよね。
では、どういう人が信頼できる人と言えるのでしょうか?

代理店に勤める(もしくは経営している)保険屋さんは、生命保険各社の間で仲介、契約がとれた際に手数料で生活しています。
それが仕事なのですから、ビジネスライクな話になるのは当然です。
しかし、その中でも信頼できる人と避けるべき人がいるのは確かです

私は過去、車の任意保険の契約が切れる頃に妊娠・出産で入院してしまい、それどころではなくなってしまった・・・ということがありました。
出産後、退院して気づいてみたら、保険が切れていたのです( ゚Д゚)

何もその時期になかったからよかったものの、危ないところでした。
保険の契約日を確認しておかなかった私が悪いのですがね。
でも、そういうケアまで含めてみてくれるのが保険屋さんではないのか?と疑問(不満)を抱いたのです。

当時の保険屋さんは、夫が電話帳であたって入った保険代理店でした。
全くその人となりはわからないけれど、とりあえず保険に入れればいいやと思っていた私達夫婦は、わざわざ代理店にいくのも面倒だし・・・と、電話をかけて相談し、その保険屋さんに自宅まで来てもらって、勧められるがままの商品を即契約したのです。
いくら若かったとはいえ、バカすぎる・・・(>_<)

その苦い経験から、どこから保険に入ればいろんなことをトータルでケアしてくれるだろう?と考えました。
そこで実家に電話し、母親が頼んでいるという代理店に連絡をとってもらい、自宅に来てもらうことにしました。

私が今お世話になっている代理店は、その時に親が紹介してくれた高校の同級生がやっている代理店です。
お父さんが保険代理店を開業し、娘さん夫婦がそこで一緒に働いています。

最初は母の同級生であるお父さんがやってきましたが、実は自分は損害保険の方が主だから、希望を聞いてから今度生命保険を主に担当している娘を寄越します、と言いました。
私はあまりにも保険に無知だったので、正直にそれを伝え、どのような保険が必要なのか一緒に考えて欲しいと伝えました。

後日来てくれた娘さんとは、そこからのお付き合いとなりました。
もう8年以上になります。
娘さんはまず、保険に入るには何を考えたらいいのか、というところからレクチャーしてくれました。

“もしも”のときの保障は、

  • 医療
  • 死亡時
  • 教育

まずはここを考えるのが、保険の基本だと教えてもらいました。

その上で、世帯の生活費や夫婦の仕事の状況、子どもの年齢・人数などを考えて、必要な保険に入るんですよ、と。
図で説明してくれて、私は何が自分に必要なのかがわかりました。
まず加入ありきではなくて、人生に必要な保障や保険にはどんなものがあるか丁寧に教えてくれたことで、私は保険についてはその人に全てまかせようと思ったのです。

その後離婚したり、自宅マンションを手放したりと、当初描いていたライフプランより大幅な変更がありました。
そんな中で、私も自分がいかにバカだったかを知ったので、最低限の知識をつけようとファイナンシャルプランナーの資格を取って勉強しました(自分の家計に活かす程度ですが)。
このように、生活スタイルが変わる都度、保障内容を見直しては保険屋さんに相談していきました。

今では、その保険屋さんとはお茶をしに行くくらいの仲になりました。
そして、人生における価値観や、仕事に対する価値観などいろんなことを話していくうちに、お互い保険について意見交換するようにもなりました。



保険業界の裏話~保険屋さんの勧める商品=あなたに必要な保険ではない!~

保険屋さんと仲良くなり、お互い仕事で知り得た情報を交換するようになってきて、保険屋さんにもいろんな人がいるんだな、ということがわかってきました。
私達看護師だってそうですからね、「保険屋さん」「セールスレディ」で一括りにできるはずがないですよね。

保険代理店は、手数料で生計を立てていることはご承知の通りです。
その手数料には、ときに「キャンペーン」なるものがあって、割増になることがあるそうです。
それは、保険会社が「この保険商品を積極的に売って欲しい」という指定通りに、契約を結ぶことができたら発生する、いわば「ボーナス」です。

それなら、そのキャンペーンに乗った方が、代理店収入は増えますよね。
単純に考えればそうです。

でもね、生命保険というのはライフスタイルやライフプラン、子どもの人数・・・いろいろなことに対する価値観をすり合わせて初めて決めるものです。
保険会社がいくらAという商品を積極的に売って欲しいと言っても、あなたにとって必要な保障がついているのはBという商品かもしれません。
ストレートに行ってしまえば、キャンペーン商品というのは保険会社にとって実入りのいい商品ということですから、私達が得することはほぼないと思った方がいい。

それをわかっていても、代理店収入を上げるためにキャンペーン商品を売りつけ、保険会社から表彰を受けて喜ぶ保険屋さんも、実は数多く存在するというのです。
私が懇意にしている保険屋さんは、そういうことをすごく嫌う人です。
だからこそ最初に会ったとき、自分の代理店で保険に入って欲しいけれども)まずはあなたに必要な保障を考えていきましょう・・・というところから始めてくれたのです。

また、保険屋さんの中でも合同の勉強会などがあり、そこでもタイプが分かれるそうです。
とにかく収益アップ重視の人のグループと、お客さんにとって本当に必要な保険は何か、お客さん第一目線で考える人のグループという具合に。
熱心な人は熱心に勉強しますが、そうでない人は手数料の高い商品から売っていくだけですから、勉強も必要最低限で済みますしね。

私達にとって生命保険というのは、“もしも”の備えとなる大事なもので、言い換えれば命綱のようなものです。
それを、過去の私のように「とりあえず契約がとれればいい」、という保険屋さんの勧めで選んでしまったら・・・?
本当に“もしも”の事態が起こった時、全く保障内容が不足していたということや、せっかく保険料を払ってきたのに対象外で保険がおりない、ということもあり得るのです。

人生で第2位の出費(本当にそう?と思ったら、生命保険が「人生で2番目に高い買い物」になるかどうかはあなた次第!?へどうぞ。)とも言える、生命保険の保険料。
大切なものだからこそ、信頼できる人からしっかりと説明を受けて入りましょう。
生命保険を検討するにあたっては、あなたのかなり深いプライベートの部分をさらすことにもなりますからね。

「ここまでの保障はいらないんじゃない?」と言ってくれるような保険屋さんなら、過度に売り込まれることもないので、とりあえず安心です。
ちなみに、私は今の保険屋さんに、「自分が今販売している物の中でこれ以上の利率のものはない」というイチオシ商品を紹介してもらいました。

既に入っていた1本で手堅く死亡保障があるので、もう1本は利殖を視野に入れた商品もいいかなと思っていると、伝えてみたのです。
ドル建てということでリスクもありますが、保険屋さん自身が満期を迎えるまで加入した上でおススメ、ということでした。
これは私に多少なりとも為替知識があるというお金に対する姿勢を伝えていたからこそ、何より信頼関係ができていたからこその情報です。
(ちなみに、このタイプは手数料が高くないので、保険屋さんにとってのうまみは少ないそう。)

くれぐれも、カモがネギをしょって行くように駅前やデパートの中の「保険相談窓口」に入って、即決しないでくださいね。
(過去の私ですね・・・)
代理店によっては、限られた保険会社の商品しか扱っていないこともあり、それだけ選択肢は狭まります。
何よりそのテナント料は、私達の加入したときの手数料で賄われているということを忘れてはいけません。
保険屋さんは、ボランティアで生活相談に乗っているのではないのですから。

保険に入ることが目的になってはいけません。
まずは、本当に必要なのかの見極めを。
そして、あなたにとって本当に必要な商品を勧めてくれる保険屋さんと相談しましょう
結局、仕事の付き合いとか近所に店舗のある代理店などではなく、あなたの親しくしている知り合いに紹介してもらうというのが、一番確実な道かもしれませんね(*^-^*)