会社の健康診断で毎年採血が引っかかるけれど、実は放置している・・・よくあることですね。
例えば、胃カメラや胃透視(バリウム)で要受診と出たら、胃癌の疑いがあるということ。
胃癌かもしれないと思うと、「病院に行かなくちゃ!」となりますよね?
けれども、健康診断で指摘された項目が、採血の中の「ヘモグロビン」だと、「なんだ、貧血かぁ~」とトーンダウン。
そんな経験、あなたもありませんか?
健康診断でヘモグロビンが低くてE判定・・・でも、たかが貧血でしょ?
癌と貧血では、とらえ方は大きく違います。
でも、ヘモグロビンの値が低いということは、いろいろな病気が隠れているかもしれないのです。
何かの病気の結果、貧血だけが健康診断でひっかけられた場合です。
健康診断や人間ドックは、病気の早期発見・早期治療のために受けるもの。
しかし、健康診断で全ての病気が見つかるわけではありません。
例えば膵臓癌や胆嚢癌は、よほど進行してからでないとわかりません。
胃癌も、一般的な血液検査だけではわかりません。
健康診断で貧血をひっかけてくれたことで、本当の病気を見つけられることもあるのです。
それなのに、「貧血」という言葉が軽く扱われてしまう・・・
D判定(要受診)やE判定(要精密検査)が出ても、「どうせ貧血だし」と放置されがち。
でもね、たかが貧血ではないのです。
癌の結果として貧血になることもあるし、重度の血液疾患のこともありますから。
熊本市民病院が市民に開いた健康講座『病気のおはなし』で、貧血から始まる血液の病気について詳しく説明されています。
医療従事者の私も、「貧血からわかる病気って、こんなにあるものだな~」と改めて貧血の怖さを考えさせられました。
こちらを読むと、たかが貧血と思っていたあなたも、「貧血って本当は怖い」ことをおわかりいただけると思います。
貧血で生命保険に入れない!?
貧血が、怖い病気の一つの症状である可能性についてお伝えしました。
仮にヘモグロビンが同じ値だったとしても、原疾患が違えば治療法も生命予後も変わります。
女性によくある鉄欠乏性貧血なのか、それとも元となる病気(原疾患)があるのか・・・。
健康診断の結果表にヘモグロビンの値が低いと書かれてしまったら、命に関わる病気なのか、それともちょっと食生活が不規則だったせいなのか、そのどちらの可能性もあるわけです。
そうなると、これから生命保険に加入しようという人はちょっと厄介です。
あなた自身は「たかが貧血でしょ」と思っていたとしても、生命保険会社はそうは思いません。
例えば、
軽い貧血が今あったとして、数か月後にその値が急激に下がった
⇒そこで病院を受診したら子宮筋腫が発覚!
⇒あまりにも大きく、出血もひどいため、緊急入院
⇒治療は輸血と手術・・・
そんなことがあるからです。
鉄剤の内服だけで済むのか、それとも手術にまで至るのか。
はたまた命に関わるのか。
それは、貧血の種類が特定されなければわかりません。
だからこそ、たかが貧血でも簡単には生命保険に加入できないのです。
生命保険会社は、保険金や各種給付金を支払う(入院する・手術する)危険性の高い人が、簡単に新規で契約できないようにしています。
納めた保険料より支払った保険金や各種給付金が高くなってしまったら、赤字になってしまうのですから当然です。
しっかり検査すれば、貧血だって大丈夫
ただし、貧血だからといって、全ての人が保険に入れないわけではありません。
まずは健康診断の結果を、保険会社に提出しましょう。
貧血の程度によっては健康診断の結果表だけで普通の保険に入れるかもしれませんし、病院で精密検査を受けて、「鉄欠乏性貧血」という診断を提出すれば入れる場合もあります。
場合によっては、病院の診断書を提出しても、“無選択型”になるかもしれません。
無選択型というのは、病気がある人でも入れる生命保険のことで、保険料が高く、更に引き受けるにあたり制約(特約として)がつけられることが多くなります。
どうせ加入するなら、保険料が安くて制約のない商品にしたいですよね。
生命保険の保険料は、加入している限りずっと続く固定費になりますから。
こちら<生命保険が「人生で2番目に高い買い物」になるかどうかはあなた次第!?>でお伝えした通り、生命保険は人生における高額な支出になりかねません。
最初から「どうせ無理だわ~」と思わず、まずは一般の保険から試してみましょう。
鉄剤内服によってヘモグロビンの値が標準範囲内にあれば、条件がよくなるかもしれません。
貧血があっても加入できるかどうか、なぜ貧血だと加入が難しくなるのか、貧血の人でも入れる生命保険の種類については、
『病気と保険に関する情報サイト 持病保険マンモスの貧血の方の保険と告知ポイント』
を参考にしてみるとよいでしょう。
持病があっても入れる生命保険、最近は増えて来ましたね。
テレビのCMでも、ネットでの広告でも、よく見かけるようになりました。
これは、採血項目で1つもひっかからない、全くの健康体という人が少ないことの裏返しかもしれませんね・・・。
ここまで、貧血の人が生命保険に加入する前提でお伝えしてきましたが、一番大切なことは生命保険に入れるかどうか、ではありません。
重大な病気が隠れていないか、です。
健康診断は、病気を小さな芽のうちに摘むために受けるもの。
要受診の判定がついたら、必ず受診して精密検査を受けましょう。
逆を言えば、健診で異常を指摘されても受診しないのなら、健康診断を受ける意味がありません。
貧血で生命保険の加入ができなかった・・・。
貧血があったら、ダメだよね?
そんな方達は是非、健康診断の結果を保険会社に提出し、一般の保険から段階を踏んで加入を検討してみくださいね。
くれぐれも、「貧血くらいいいよね」と黙って加入してはいけませんよ。