「不整脈」は突然起こる!?生命保険(医療保険)に加入していなかったら…

不整脈と種類

「不整脈」と聞くと、あなたはどのようなイメージを抱くでしょうか?
また、健康診断の心電図で「要受診」「要精密検査」と結果に書かれたら、どう思いますか?

脈の病気=心臓の病気
これってマズイ・・・?
そう思うのが一般的だと思います。


命に関わる不整脈・ほっといていい不整脈

でも、不整脈だから病気、とはかぎりません
不整脈にはたくさんの種類があるので、中には命に関わらない、治療の必要性すらないものもあるのです。

それが、“ほっといていい”不整脈です。

不整脈の種類

健康診断で心電図異常を指摘される人の中で左側、つまり治療が必要になる人は、ごくわずかです。
では治療の必要がない人に多いのは、どのような不整脈なのでしょうか?

そのうちの1つが、予測外のところで脈を打ってしまう「期外収縮」です。
人間は誰しも1日の中で、何十回も期外収縮をしています。
それが偶然、健康診断のときに見つかってしまったということで、病気ではありません。
自覚症状すらほとんどありません。

また、調子の悪いときだけ頻発したり自覚する人もいます。
私もいつもは感じませんが、調子の悪いときには、期外収縮が頻発して自覚症状が出ます。

ある日、(なんか胸苦しい・・・)と、思わず胸をさすりたくなったときがありました。
自分で脈をみてみるとリズムの乱れているのがわかりましたが、期外収縮だろうと、そのときは仕事を続けました。

しかし、その日の晩に高熱が出てインフルエンザを発症(+_+)
期外収縮は、体調不良のサインだったのです。
私のように、睡眠不足やストレス、体調不良などが重なると、期外収縮は頻発したり自覚しやすくなるのです。

健康診断でひっかけられる不整脈の多くは、図右側の“ほっといていい不整脈”なのですが、中には命に関わる不整脈のこともあります。
健康診断では、左側の危険な不整脈をひっかけるために心電図検査があるのです。

身体にとって全く無害の心電図をとるだけで、命に関わる病気を早期に発見できるのなら、受けない選択肢はないでしょう。

“あの人”ももっていた!?不整脈とは

では、自覚症状がないのに健康診断の心電図だけで命に関わる前に発見できる病気って、本当にあるのでしょうか?
あります。
そのうちの一つが心房細動です。

心房細動というのは、心臓を拍動させるための刺激が一定の経路を通って拍動しない不整脈です。
決まった刺激伝導経路を通らずに不規則に拍動するので、どうしても心臓の中で“よどみ”ができてしまうのです。

血液がよどみを作るとどうなると思いますか?
血栓という、血液の塊を作ります。
そしてこの血栓が、血流にのって身体のどこかの血管を詰まらせると、そこから先は血流が途絶えてしまいます。

心臓の血管が詰まったら、心筋梗塞
脳の血管が詰まったら、脳梗塞
肺の血管が詰まったら、肺梗塞

どれも命に関わる病気です。
血栓がどこかの血管に詰まる血栓症は、救急車を呼んでも、病院につく前に亡くなってしまうことの多い病気です。

心房細動で一番有名なのは、「ミスター」こと長嶋茂雄さんでしょう。
長嶋さんは2004年3月に脳梗塞で倒れ、以後右麻痺と言語障害が残りました。
テレビに出てくるようになっても、麻痺している右手はポケットに入れていることが多いですね。
長嶋さんの脳梗塞の原因も、この心房細動でした。

この不整脈は、全く自覚症状がありません。
そして、自分の努力次第でどうにかなるものでもありません。
健康管理を十分にしている、食事にも気を配っている人でも起こりうるものなのです。

脳梗塞は、軽いものなら後遺症もなく、元の生活に戻ることができます。
しかし、たった1度詰まったことで生涯寝たきりになってしまう人は、大勢いるのです。
健康な人達の目に触れないだけ。
右麻痺と言語障害は残りましたが、自力で歩けるだけ長嶋さんはまだラッキーな方。

自覚症状がないので、脳梗塞や心筋梗塞を起こす前に心房細動を知ることは難しいこと。
事前に知ることが可能なのは・・・そう、健康診断の心電図です。
健康診断で心房細動を見つけてくれれば、血液をサラサラにする内服治療を開始することで、血栓症を未然に防ぐことができるのです。
(そのかわり、一生飲み続けなくてはなりません。)

他にも、心電図の形が特殊な形をしていて、もし発作を起こすと突然死を起こす・・・というものもあります。
若い男性の突然死の原因に、ブルガダ症候群という不整脈があります。
この不整脈は健康なときに気づくことは、不可能に近い。

この病気と診断された場合、体の中にAEDのような除細動器(ICD)を埋め込む手術が適応になることもあります。
もし発作が起きても、自動的に電気ショックをかけて命を守るためです。

入口は、健康診断での要受診・要精密検査の判定。
ほとんどの人は、治療の必要性なく終わります。
しかし、上の図において右側にいくか、左側にいくかは検査をしてみなくてはわかりません。

だからこそ、もしもの事態を起こす前に、健康診断を受ける必要があるのです。



不整脈の診断がつくと、生命保険には入れない?

事前に病気をひろってくれる、ありがたい心電図。
けれども、健康診断で心電図異常を指摘されると、新規に生命保険に加入するのは少しハードルが上がってしまいます。
医療の世界ではほうっておいてもいいもの(期外収縮)でも、生命保険においては「不整脈」と判断されてしまうからです。

しかし、全くムリというわけではありません。
期外収縮なら、精密検査を受けて、治療不要という医師の診断書があれば加入を認められることが多いでしょう。
しかし、心房細動と診断を受けて治療を開始した場合は、加入ができないか、条件をつけられることになるでしょう。

心房細動は、一時的に出て終わる場合もありますが、経過の長い人ほど元の調律には戻りません。
ということは、一生、脳梗塞や心筋梗塞のリスクの高い状態が続くのです。
これは、いくら抗血小板薬とよばれる血液をサラサラにする薬を飲んでいたとしてもついてくる問題です。

また、血液をサラサラにしている人が脳出血を起こした場合には、流れがよくなっている分、出血量は通常よりも増えてしまいます。
出血量は、生死や障害の重さに直結します。
つまり、心房細動は治療してもしなくても病気のリスクが高くなる、ということです。

保険会社としては、リスクの高い人の新規契約はありがたくありません。
納めてくれた保険料よりも支払う金額が多くなったら、破綻してしまいますから。

そこで、リスクの高い人は、
誰でも入れる「無選択型」
条件をつけた「引き受け基準緩和型」

の商品を限定に、審査を通すことになります。

病気のある人が生命保険に入るということは、一般の人にはわからない不利な状態になります。
私自身も、一生治ることのない成人発症型の気管支喘息にかかっています。
現在は更に病気が追加されているので、ここから先は生命保険の新規加入は難しいし、できたとしてもかなり条件が悪くなってしまうでしょう。( ノД`)シクシク…

たった一つの持病が、どれだけ不利な状態になると思いますか?
それについては

でお伝えしていますが、「特約」という名の条件を付けられ、おまけに毎月の保険料も高額になってしまいました。
選択肢のないことが、不利なのです。

少し脱線しますが、「特約」は、私達が受けとる保障面に付けるプラスαのことだと思っていませんか?
よく、「がん特約」とか「先進医療特約」とかいいますもの。
でも、私達に付けられる方の条件も「特約」というんですねぇ。
私も自分の保険証券を見て、初めて知りました。

世の中生命保険のCMであふれているというのに、一生ものの病気を抱えた人は選ばせてもらえない。
無制限型にすると、入ることに意味があるのか、元をとれることがあるのかと考えたくなるくらいに保険料が高額。
生命保険会社も慈善事業ではありませんから、それは仕方のないことなのですが・・・。

異常がないことは、それだけで節約効果!?

もしあなたが今、健康診断で何も引っかかっていないとしたら。
何も病気を抱えていないとしたら。

それは素晴らしいことです。
そして、今が生命保険を見直すチャンスかもしれません。

健康診断で異常を指摘されたあとでの新規加入は、金額や条件が変わってしまうかもしれません。
それに、年齢をかさねると、保険料は高くなるのが一般的です。

仮に同じ補償内容で月3000円安くなったら?
生命保険は何年・何十年とかけるものですから、月3000円の違いを甘く見てはいけません。
1年なら、3万6000円の違いが出ます。
10年なら、36万円の違いです。

スーパーでの食費を節約したり、ネット通販で100円単位の安いものを探すより、確実に大きなコストカットができます。

一方で、既に異常を指摘されてしまった人は?
隠して入る?
いいえ、それはいけません。
告知義務違反は、あなたにとっていいことはありませんからね。

がっかりしてしまう人もいるかもしれませんが、もしあなたの指摘された不整脈が期外収縮なら、そう大きな問題にはなりません。
しかし、その判断は素人にはできません。

誰だって、まさか自分に一生ものの不整脈が出るなんて、思っていません。
だからこそ、いつあなたにも不整脈という診断をされるかわからないのです。

もしあなたが不整脈と診断されたことを理由に、生命保険に加入できなかったとしたら・・・それだけリスクがあるのだと、教えてもらったと思いましょう。
自分のリスクを自覚し、大きな病気をする前に備えを始めましょう。

何も備えていないことは、とても怖いことです。
(病気と備えについては、<怖いのは「もしも」よりも「もしもに備えていないこと」>も読んでいただくといいかなと思います。)

あなたが今、健康診断で何の異常も指摘されていなかったら・・・それだけでものすごい節約効果です。
いいえ、立派な財産です。
ぜひ、そのまま体を大事にしてもらいたいですね(*^-^*)