40代は、少し余裕の出る年代?
いろいろな苦労を乗り越え、時には体調不良に悩まされながらも仕事と家事・育児を両立させるために突っ走ってきた30代。
若さでなんとか乗り切った30代と違い、40代は子育てに少し余裕が出てくる年代です。
40代半ばを迎えると子どもが中・高生になっているので、もう直接手をかける必要はありません。
お風呂もトイレも1人でできますし、留守番も頼めます。
極端なことを言ってしまうと、親は食事と洗濯をしていればあとは自分でやるようになります。
反抗期を迎えた子どもへの接し方や進路など、頭は悩まされることの多い年代ですが、少しずつお母さん自身の時間がとれるようになります。
45歳を過ぎると、出産と同時に仕事をセーブしていた看護師もフルタイム復帰するようになります。
看護師の場合は働き方の選択肢がかなり広く売り手市場が続いていますから、ブランクの長い人もパート・正規どちらからでも現場復帰できます。
私自身も、45歳なら子どもは高校生になっています。
今よりも学校行事は少ないし、おそらく土日も部活をしたり友達と過ごすことが多くなり、私が仕事をしても困ることはないでしょう。
家事さえ片づければ寝かしつけもいらないし、宿題をみてあげる必要もありません。
ですから、フルタイムで復帰しても自分の時間を確保できるようになってきます。
ここまでくると、子育てもひと段落・・・というところでしょうか。
まずは、ここまで頑張ってきた自分を、褒めてあげましょう♪
手間はかからないけれど、お金はかかる!
45~50歳という年齢は直接手をくだす子育てから解放される代わりに、大学進学を視野に入れなくてはならない年齢です。
手がかからなくなるのはありがたいのですが、目前には教育費最大の難関とも言える出費が近づいてきます。
そう、大学進学です。
進学希望をしている場合、本命だけではなく滑り止めもいくつか受験することになります。
その進学先が遠方であればあるほど、受験するだけで往復の交通費や宿泊費・食費などで数十万円がかかります。
加えて、大学進学に至るまでには塾へ通ったり希望校の下見など、在学中にかかる出費もあります。
最近は公立高校でも修学旅行が海外のことも多く、1年から修学旅行の積立が始まります。
学業以外にスポーツに力をいれていたら合宿や遠征・ユニフォームなど、もろもろ費用がかかります。
文化部でも吹奏楽部では高校生になると個人で楽器を購入する部員が増えるため、一度に数十万円の出費がドカンとやってくることもあります。
40代半ばを迎えたお母さん達が現場復帰をしたりパートからフルタイムにシフトするのは、目前に迫った大学進学に加え、中学・高校在学中にかかる費用もばかにならないという事情があるからです。
この時代の子育ては、「手間はかからないけれどお金がかかる」ということですね。
しかし、自分の都合で仕事が選べるというのは、本当に看護師はありがたい職業です。
働く時間も、働く場も選び放題ですから。
そして、ここから女性の第二のキャリアが始まるといっても過言ではありません。
まだまだ続く教育費、晩婚家庭は要注意!?
28歳までに子どもを産み終えた場合、50歳で全員が大学を卒業します。
ラスト5年の45歳から50歳は、兄弟で大学進学が重なることもあるでしょうし、本当にしんどいかもしれません。
仕事を増やしてしまえばもちろん時間的余裕はなくなりますし、人によっては更年期障害に悩まされる時期でもあります。
女性の場合は<【既婚で子どもがいる:パターン3】夫が専業主夫>でお伝えしたように、婦人科疾患にかかりやすい年代でもあり、この5年間は口で言うより本当にしんどいと思います。
50歳で子育てを終えるのなら、なんとか乗り切れます。
教育費がごっそりなくなるのですから、自分達の老後資金は残りの年月で貯めていけばまだ間に合います。
よく考えなくてはならないのは、高齢で出産した場合でしょう。
昨今40代で出産する女性は全く珍しいことではなく、少子化の時代にあってむしろ歓迎モード。
でも初産にしろ第2子にしろ、末子を40歳過ぎてから出産した場合は、あなたが45歳の時点で子どもはまだ未就学児です。
両親ともに40代なら、年収は高くなっているので最初は余裕のある暮らしができます。
しかし、子どもが高校・大学を迎える頃になって定年退職・・・という家庭も増加しているのです。
高齢出産の場合、本人達がその事実を受け止め、子どもの小さいうちから教育費の積立に励む必要があります。
同時に、自分達の老後資金も並行して貯めなければなりません。
40代で子供を授かるというのは、言葉でいうよりも現実はかなり厳しく、「親ペナルティ」という言葉あるくらいです。
PRESIDENT ONLINEの“親ペナルティ”を40歳で負う覚悟はあるかは、ペナルティという言葉を受け入れられるかはさておき、同じような立場にある人は一読しておくべきでしょう。
更に子どもの年が離れている場合は、より明確に資金計画を立てておく必要があるでしょう。
私を含め、看護師は離婚経験のある人が多いです。
若くして離婚した場合、40歳で中学生の子どもを抱えて再婚ということは珍しいことではなく、再婚後も出産可能な年齢です。
看護師で10歳以上の年の離れた子どもがいる家庭、結構このパターンなんですよね・・・。
私の職場にもいるのですが、その場合は20代から60代までかけて子育てを担うことになります。
第1子(前夫との子)が高校・大学で第二子(現在の夫の子)が保育園となると、小学生の子供2人抱えるよりも教育費はかかります。
親の年収が高くなると保育料も高くなるので、高校にも保育園にもお金がかかってしまうのです。
そして第1子が就職して手が離れると、今度は第2子がすぐに高校受験目前。
あっという間に大学受験を迎え、またお金のかかる時代に突入します。
やっとのことで第二子が就職する頃には自分が定年直前・・・。
そうなると、老後資金を貯める間もなく年金生活に突入してしまうでしょう。
不思議なもので、数年差で子どもが2人いるのと比べ、10年以上離れているときの方がトータルの教育費はかかるのです。
1人ずつ時間をかけて進学するため、なんとか大学も希望するところに入れてあげることができます。
その分、子どもが独立した時点で夫婦の老後資金となる十分な預貯金がなくなってしまいかねないのです。
40代半ばを迎えたら、どんな生命保険を選ぶのが正解?
死亡保険に加入する目的を「子どもを養うため」とすると、子育ての半分以上を終えた45~50歳という年齢では、「もしも」の際に必要な金額は少なくなるハズです。
ですから、もしこれから生命保険を検討するのなら、保障額は残りの教育資金と自分の葬儀費用になりますね。
子どもの大学在学中に経済的事情で大学を中退させるなんてことだけはさせたくありませんから、いくらあと数年といっても完全に手が離れるまでは生命保険で備えておくと安心です。
ただし、生命保険は年齢が高くなるにつれて保険料が高くなりますので、加入するメリットそのものは考える必要があります。
教育費を貯めるために、子ども保険にこの時期から加入するのは考えものです。
未就学児の子どもがいるのならメリットはそこそこあるかもしれませんが、子どもが既に小学校高学年や中学生という年齢でこども保険に加入しても、積立期間が短すぎるのです。
子ども保険は契約者が死亡した場合、残りの保険料を払わなくてもよくなることが多いので、ムダとは言いません。
しかし、数年の間に40・50代の親が死亡する可能性は、不慮の事故を除けばまだ高いとはいえないでしょう。
大学進学までの期間が短い場合は、あまりリターンの高くない生命保険に無理して加入する必要はないかもしれません。
一定金額を高校入学時や大学入学時に貯めるためには、遅くなればなるほど毎月の保険料が高くなりますし、付加保険料(生命保険会社の経費)まで払うことになりますから。
時間がないからこそ、今から始められることを考えよう
生命保険は、加入してすぐに解約すると解約返戻金が払込金額を大幅に下回ります。
ですから、これから教育費のピークを迎える家庭では途中で解約することのないよう、無理なく支払うことができる範囲で加入する必要があります。
こども(学資)保険に関して理解しておきたい基本を解説!でもお伝えしていますが、教育費に対応するのは子ども保険だけではありません。
また、50代が近づいてきたら、定年退職後の生活のこともそろそろ考えたいところ。
65歳を定年とすると、45歳では残り20年、50歳では残り15年です。
同じ月1万円の積み立ても、25歳から始めるのと50歳から始めるのとでは大きな違いがあります。
今から生命保険の介護保険に加入することも、個人年金に加入することも可能です。
しかし、老後資金のためのスタートダッシュが遅くなったからといって、40~50代は子どもの進学費用もかかりますから、毎月5万円も10万円も生命保険にまわすというのは難しいですよね。
おまけに、今は銀行に預けても利息はつきません。
そこで、小さな一歩ではあるけれど、「全くやらないよりはマシ」という気持ちで、新たな自己防衛を始めてはいかがでしょうか?
1つの例としては、投資信託を毎月10000円、大変なら5000円分だけ毎月購入していくのはどうでしょう?
もう少しで子育てを終える家庭も、まだまだ続くよ・・・という家庭も、5000円なら少し無駄な出費を減らしたらできそうですね。
現金で毎月5000円貯めたら20年で150万円ですが、複利運用して少しでも利益が出ればラッキー♪
そんなつもりで、無理なく今からでもできることを考えていきましょう。
投資信託は個人年金などより現金化しやすいので、本当に困ったときには積立分を必要な支出に割り当てることもできます。
ただし、購入手数料や維持管理手数料などはかかりますし、元本保証はありませんからその点は要注意です。
「いつも無駄遣いしていた分」と割り切って始める分には、よいかもしれませんね。
45歳の時点で、教育費から解放されるまであと5年なのか、それともまだ20年続くのか・・・それによって、教育費と老後に対する備え方は全く変わります。
また、価値観によっても異なります。
年齢で「〇歳ならこの保険に入るべし!」と断定することはできません。
家族の年齢や自分の体調、看護師として何歳まで働くのか・・・自分の家族にはどんな生命保険が必要か、よく考えてみてくださいね。