「病気だと生命保険・医療保険の加入は不利!!」~実際の生保事例09~

病気持ちは加入が不利になります

満期になったとき、次はどうするか?

生命保険は、結婚や出産といったライフイベントのタイミングで見直すことが多いですね。
私も独身時代に入っていた養老保険を解約して、保険を見直そうと思ったのは、離婚というライフイベントがあったためでした。

私は独身時代、母親の言うなりの養老保険に加入しました。
(そのいきさつについてはこちら<「初めての妊娠・出産と保険」~実際の生命保険関連の事例01~>を読んでくださいね。)

この養老保険では、切迫早産に帝王切開・レーシック・更に耳鼻科の手術と、4回も給付金を受け取ることができました。
お産のときは手術給付金と入院日額5000円が受け取れたので、本当に助かりました。
レーシックにいたっては、外来通院だけなのに手術給付金がもらえました。

養老保険ならではの5年に1度のお祝い金も、2回受け取りました。

とってもお世話になったこの養老保険ですが、実は一つ落とし穴がありました。
15年満期だったのです。
加入したのは、看護師として働き始めた新人時代。
15年先のことなんて考えていませんでしたし、何より当時は生命保険の「せ」の字もわからない始末で、本当に母の勧めるままに入ったので、満期があることも知らなかったのです。

10年の間に4回の保険金受け取りと、2回のお祝い金。
これだけもらえば、ある意味生命保険としての元はとった感覚です。
でも、私ははたと気づきました。

満期になったあとは、どうなるの?と。
結婚・出産だけでなく、マンションの購入や離婚を経て、私も少しずつお金に関する知識を付けていきました。

そして気づいたのです。
私は15年後の満期まで待ったらマズイんじゃないか!?と。



病気があると、生命保険は不利!!

当初は何度も給付金を受け取ったし、損していないからこのままでもいっか♪と思っていたのですけれど。
満期まで入ったあと、私に入れる保険があるのか?と気づいたのです。

バリバリの体育会系だった自分が、まさか大人になって喘息を発症するなんて思いもしませんでした。

新人時代、仕事に明け暮れていた毎日。
冬に入って体調不良は感じていました。
年が明けてからは、帰宅時に病院から出るだけでゼーゼーヒューヒューするようになりました。

これはさすがにおかしいと受診したところ、喘息の重積発作で、既に肺炎を起こしていました。
入院も勧められましたが、自分の勤務する病院で、しかも呼吸器内科病棟には怖い先輩がいることを知っていたので、先生になんとか頼み込んで自宅療養を認めてもらいました。

そこから私の喘息治療が始まりました。
22歳でした。
そしてこの時、養老保険加入後1か月。
今思うと、なんてラッキーだったのでしょう。

私が人生初の生命保険に加入したときには、まだ病気のない状態。
というより、病気があったら契約時に申し出る必要があるなんて、知りませんでした。

喘息というのは、実は成人発症の方が多い病気です。
小児喘息と違い、成人発症の場合には完治することはありません。
ずっと「付き合って行く」病気。

フィギュアスケート選手の羽生結弦選手も喘息患者ですが、グランプリファイナル4連覇、全日本選手権4連覇(記事作成時)という素晴らしい成績の持ち主です。
確かに、いつも空港での映像はマスクをつけていますね。

羽生選手は、体調管理に人一倍気を使う必要はあるけれど、喘息があっても、誰よりも素晴らしいパフォーマンスが出せるのです。

他にも、喘息患者でありながら結果を出しているトップアスリートはたくさんいます。
これら喘息もちのトップアスリートは、上手に付き合っているいい例ですね。

喘息と「付き合って行く」には、定期通院が必須です。
また、ときにはちょっとした風邪がこじれて、一時的に喘息のコントロールが悪くなることもあります。

ですから、私は22歳からずっと喘息治療を受けています。
1か月として薬がゼロになったことはありません。

でもね、既に上でお伝えしている通り、給付金を受け取った病気は喘息による入院加療ではありません。
つまり、喘息は多少状態のいいとき・悪いときがあるにせよ、入院にまで至ることはあまりないのです。

生命保険に話を戻しましょう。
私が新人時代に加入した養老保険の満期を待ったら、30代後半になっています。
そうなると、喘息という病気もちの上に年齢(30代であっても、20代とは違います)が加わり、保険料は高くなってしまいます

保険料って、皆一律同じ金額と思っていませんか?
年齢や健康状態、喫煙や飲酒の習慣によっても金額が違うんですよ。

私の場合、この喘息がネックになります。
喘息では入院したことがない(正確には、断固として拒否したのですけど)にも関わらず。

1人で子どもを育てていかなければならないというリスクを背負う私に、生命保険は不可欠です。
でも、そこに多額の保険料をかけるわけにもいきません。

悩んだ末、私は離婚直後ではなく、あえて数か月待ってから養老保険を解約しました。
数か月後に2回目のお祝い金、10万円が受け取れることがわかっていたからです。
数か月分養老保険の保険料を払っても、10万円受け取る方がお得だと思ったから。

そして、お祝い金を受け取った直後に解約し、これからの自分と子どもの生活を支えてくれるための生命保険を、新たに探すことにしました。

保険金が削減される「特約」なんて、アリ!?

喘息もちの私が、今後の息子との生活を支えるための生命保険を考えるにあたり、私は知り合いの保険屋さんに相談しました。

私が死んでしまった場合には、子どもには遺族年金が入ります。
もし私が病気で仕事ができないという場合には、生活保護もしくは障害者年金を受け取ることができます。

これらのセーフティネットを受けても、子どもの生活費・進学費用には足りません。
そこで私は、まず死亡時に1000万円の保障を得ることにしました。
既に子供が高校生というのなら、1000万円あればなんとか大学まで出してやれるでしょうけれど、子どもは当時まだ2歳。
1000万円では足りないけれど、月々の保険料のこともあって、まず1000万円という設定にしました。

そして保険屋さんがお勧めしてくれた、100歳満期の定期保険に加入することにしました。
実際100歳まで入るつもりはなく、解約返戻金が100%付近になる頃、もしくは子どもが成人して自分の葬式費用だけ現金で確保できたら解約するつもりでね。

ここで私の喘息が問題になりました。
養老保険の満期を待たずに30代前半で加入したのに、月々の保険料が高い・・・(*´Д`)
掛け捨てタイプでないことも理由なのですが、毎月10000円以上かかります。
その上、予期せぬ条件が加えられたのです。

それは、「死亡保険金の削減」という契約条件。
生命保険会社からすると、私は「保険料をろくに払わずに保険金を請求しそうなハイリスクな契約者」ということです。
ですから、契約してもすぐには満額の死亡保障はつけませんよ、という条件が付けられたのです。

離婚する前に、私はあまりにもお金に対して無知だったので、ファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。
一応人並みには生命保険に関する知識も付けていたと自負していたのですが・・・甘かった!

生命保険と病気は切ってもきれない・・・だけどウソは絶対ダメ!!

まさか、削減期間という「特約」があるとは思いませんでした。
特約というと、がん特約とか、先進医療特約とか、そういう主契約に保障をプラスするものしかないと思っていたんですよね。
保障を減らされる「特約」とは。 (*´Д`)

私につけられた「特約」は、これです。

  • 死亡保険金の削減
  • 契約日から3年間

第1年度:2.5割
第2年度:5.0割
第3年度:7.5割

つまり、毎月1万円以上支払っても、3年間は満額である1000万円が受け取れないということです。
1000万円でも小さな子供を抱える身では不安だったのに、初年度なんて250万円しか受け取れないんですよ。
保険に入ったのに、これでは死ねない!

死亡保険というのは、自分が受け取るものではありません。
子供や配偶者など、扶養しなくてはならない家族に遺すためのもの。
それを削減されたらたまりません。

でも、なかなかないんですよ。
既に病気を持っている人が入れる保険というものが。
あっても、やはり高額な保険料になってしまいます。

代理店によっては扱う保険会社が限られているところもありますが、知り合いのお店は全ての生命保険と取引しているので、複数の会社の中で選んでもらいました。
それでも、この条件になってしまったのです。

本当のところは、他にもあったのかもしれません。
でも、生命保険はとても商品の種類が多く、自分でピンポイントで「この商品を」と選ぶことなんでできませんね。
それでいて私のように条件がついてしまうと、そう選択肢はないと思います。

この頃には、この保険屋さんとの信頼関係も築けていたので(親同士も同級生だし)、私は全面的に保険屋さんを信用することにしました。

3年経って、満額受け取れるようになったとき、ほっとしましたねぇ。
もちろん、子供を遺して死ぬなんてまっぴらごめんです。
でも、これで1000万は遺してやれる、と安堵したのです。

病気があると、本当にいろいろなことが高くつきます。
毎月の医療費・薬代、それから受診にかかる時間も。
それに加え、生命保険まで高くなってしまいます。

病気がなかったら、もっと安い保険に入れたのに。
病気がなかったら、もっと選択肢が広かったのに。

そういう気持ちもよぎります。
でも、仕方ありません。

間違っても、加入するときに病気を隠してしまえ!!なんて思ってはいけませんよ。
これは、告知義務違反になってしまいますから、保険会社にバレたら保険金の支払いどころか、契約を解除されてしまいます。
(告知義務違反についての症例は、こちら <「保険屋なら、誰でも一度は通る道!?」~実際の生命保険関連の事例08~>をどうぞ) 

この削減期間という特約のおかげで、私は人一倍リスクの多い人生なんだな、と意識して過ごすようになりました。
健康管理だけではなく、お金の使い方も。

後に別の生命保険にも加入して、子供の教育資金への備えも兼ねることにしたのですが、そのときには削減期間はつけられませんでした。
保険の内容や保険会社によっても、特約は違うということです。

1人1人必要な保障額が違えば、契約内容も異なるのです。
生命保険は、オーダーメイドなんですねぇ。