クーリングオフとは、契約を無かったことにできる制度で、訪問販売やキャッチセールスなどで高額な契約をしてしまったときに、「やっぱり無かったことにしてください!」というのが通用する制度です。

脱毛エステサロンでの契約は、実はクーリングオフの対象です。と言ってもなんでもかんでもクーリングオフできるわけではないので、どのような場合にクーリングオフできるのかを知っておきましょう。

クーリングオフってどんな制度?

クーリングオフ(cooling off)とは、直訳すれば「感情を冷却する」という意味です。もう少し分かりやすく言うと、頭を冷やすということですね。

洋服の買い物とかでも、衝動買いしてしまって後から冷静になったときに「これ、いらなかったな~失敗した~」ってことありませんか?

特に、訪問販売やキャッチセールスの場合は唐突に話しかけられて、一方的に向こうのペースで商談が進み、冷静に考える時間を与えられないまま契約してしまう、ということが起こりがちです。だから、冷静になってから考え直すための「クーリングオフ制度」があるのです。

普通の「中途解約」とは違い、契約をした事実自体を無かったことにできるのがクーリングオフの特徴で、原則、契約日から8日以内であればクーリングオフができます。

エステサロンもクーリングオフの対象です

エステサロンは訪問販売やキャッチセールスとは違いますが、クーリングオフの対象です。条件は以下の通り。

・契約日から8日以内に書類で申し出ること
・期間が1か月を超えるもの
・金額が5万円を超えるもの

「期間が1か月を超えるもの」というのは「特定継続的役務提供」と言われるもの。脱毛の場合も、1回の来店で脱毛が終わるわけではなく1か月以上通うものですよね。エステサロンでの長期の契約に関してはクーリングオフの対象になっているのです。

金額は5万円を超えるものとなっていますが、エステサロンによっては5万円以下の契約でもクーリングオフに対応してくれることもありますので、少額の契約でもクーリングオフしたい場合はエステサロンに相談してみましょう。

クーリングオフのやり方

では、クーリングオフの具体的なやり方です。

クーリングオフしたい場合は、書面で申し出る必要があります。電話や対面で、口頭のみで伝えるのはダメです。

8日以内にはがきを送る

はがきに、以下の内容を記載して送付しましょう。

【通知書】
次の契約を解除することを通知します。

契約年月日: 平成○年○月○日
商品名: 例⇒ワキ脱毛6回など
契約金額: ○○円
販売会社: ○○株式会社(エステサロンの会社名)
担当者: ○○(不明な場合は書かなくてもOK)

支払った代金○○円を返金してください。

平成○年○月○日
氏名:○○○○

※クレジットカードで支払った場合は、さらに
クレジット会社:○○株式会社
のようにクレジット会社の名前も記載して、販売会社とクレジット会社の両方に通知はがきを送ります。

クーリングオフの対象となる契約をした際には、契約時にクーリングオフに付いての書類を受け取っているはずですので、そちらも参考にしながら通知書を書いてくださいね。

簡易書留で送ろう

はがきで送るのは、きちんとクーリングオフの証拠を残すためです。ただ、普通にはがきで送るだけでは郵便事故によって届かない可能性もあり、また、ちゃんと届いていたとしても悪徳会社の場合は「はがきが届いていないから応じられない」なんて言われてしまうこともあります。

そこで、はがきを送るときには簡易書留を使いましょう。

書留とは、郵便局での引き受けや相手への配達を記録できる送り方で、ポスト投函ではなく、相手へ手渡しされます。

書留には現金書留や一般書留がありますが、クーリングオフのはがきを送る場合は料金の安い簡易書留で十分です。料金は310円です。

郵便局の窓口にて「簡易書留でお願いします」と言えば手続きできますので、通知書を書いたはがきはポストに入れずに郵便局の窓口で出しましょう。

クーリングオフの期間を過ぎてしまったら?

クーリングオフの期間を過ぎてしまった場合、基本的にはクーリングオフの対象にはなりません。ただ、以下の場合はクーリングオフが可能です。

クーリングオフの期間が長く設定されている場合

基本的にはクーリングオフの期間は8日以内ですが、会社によっては独自に「10日以内」などと期間を長く設定していることがあります。その場合は長い方の期間が優先されますので、契約時の書類を確認してみると良いでしょう。

クーリングオフの期間内にはがきを出した場合

勘違いしている人も多いのですが、クーリングオフというのは「通知した日」が8日以内であれば、相手へ届いた日が8日を超えていたとしても問題ありません。

たとえば、土日をはさんだり定休日などの都合で相手に届くのが遅くなったとしても、クーリングオフは成立するのです。ちなみに、簡易書留は土日でも配達されますし、大きい郵便局に行けば土日でも窓口が開いていますので、簡易書留ではがきを出すこともできますよ。

もし、期間を過ぎてしまった場合は、クーリングオフではなく通常の中途解約の扱いになります。

中途解約の場合は、クーリングオフとは違ってあくまでも途中での解約ということになるので、エステサロンによっては手数料を取られることもあります。

また、すでに1回以上施術を受けている場合は、その分の費用も差し引かれます。

手数料としては、「事務手数料」や「振込手数料」といった名目でかかることが多いのですが、高くてもせいぜい1,000~2,000円程度のところが多いです。

一方、すでに役務提供を終えた分、つまり脱毛の施術を受けた分に関しては、思っていたよりも高い料金が引かれることが多いです。契約時にはキャンペーンなどで格安で契約したとしても、解約時に引かれるのは通常料金分だからです。

1回あたり5,000円で契約できたとしても、通常料金が1回10,000円のコースなら、1回施術を受ければ10,000円、2回なら20,000円が引かれる、というわけです。

クーリングオフであればこうした手数料等が引かれることもなく解約できるので、契約後はしっかりと「本当に契約しても大丈夫かな?」、「解約することは無いかな?」と冷静に考えて、不要だと思ったのなら早めにクーリングオフの手続きを済ませましょう。