胸毛を気にする女性
脱毛したい! というのは多くの女性が持つ感情ですが、特に切実に「脱毛したい!」と思っているのは多毛症の方だと思います。
では、多毛症とはどういうものなのでしょうか? 

どれぐらいの体毛だと多毛症というのか、また、どのように対処すればいいのか、まとめましたのでご覧ください。

どれぐらい毛深い状態なら多毛症なの?

多毛症とは、柔らかい体毛が、硬毛化した状態のことを言います。女性に多いのが特徴です。

よく言われるのは、「男性と同じような体毛が生える」「髪の毛と同じような体毛が生える」ということです。多毛症というのは実は毛の量自体が増えているのではなく、毛の1本1本が固く・太くなるために濃くなったように見える、という性質のものなんですよ。

すねや胸の体毛が男性のすね毛並みに濃くなっているとか、口周りの産毛が男性のひげのように濃いとかいった状態だと、多毛症だと言えるそうです。(ごくまれですが、顔の産毛全体が多毛症になっているとか、全身が多毛症になる、という人もいます)

ちなみに、「男性並みに濃い体毛」と言っても、体毛の薄い男性と比べてはいけません。体毛の薄い男性と変わらないぐらい体毛が生えている女性というのはさほど珍しくありません(ちょっと毛深い、という程度です)。

多毛症の場合は、本当に明らかに毛が濃くなっている状態なので、医師が見ればすぐに分かります

多毛症になる原因ってなにがある?

多毛症の原因は、「男性ホルモン」です。男性ホルモンが過剰になっていたり、男性ホルモンへの反応が高まると多毛症を発症してしまうことになります。

男性ホルモンは卵巣・副腎で作られているので、このどちらかに原因が眠っていることがほとんど。

まず、卵巣に原因があるケースとして多いのが、「多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)」。うまく排卵されず、卵巣内に卵子が溜まってしまう状態です。女性の10人に1人ぐらいはいるそうですよ。(わたしも以前診断されました)

そして、副腎に原因があるケースとして多いのが、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬のシクロスポリンです。ステロイドと言うとアトピーなどの皮膚炎が起こったときに処方されることもありますが、ステロイド外用剤を塗ったところが多毛化することがあります。(わたしも経験あり)

多毛化とともに現れやすい症状としては、月経異常・肥満・にきび・声が低くなる、性早熟症、壮年性脱毛症(男性型脱毛症)といったものがあります。

治療法と脱毛の効果

治療法としては、まずは検査をおこない、多毛症の原因をつきとめることから始めます。

たとえば、多嚢胞性卵巣症候群であることが分かれば、多嚢胞性卵巣症候群の治療をすることによって卵巣の働きが正常化し、多毛症も治まるということです。(多嚢胞性卵巣症候群が気になる場合は、婦人科で診察を受けましょう)

多毛症の人が脱毛の施術を受けた場合も、効果はあります。多毛症だから効果が出ない、ということはありません。ただし、毛が濃いとそれだけ痛みを伴いやすいので口周りなど皮膚が薄いところは、痛みが強く出ることは覚悟しておいた方がいいでしょう。

ちなみに、病院で検査しても原因がはっきりと分からない場合も、レーザー治療(いわゆるレーザー脱毛)によって治療していくことがあります。

もし、「多毛症かな?」と不安に思っているなら、病院(内科でOK)で検査してもらうようにしましょう。脱毛に行けば多毛症への効果は期待できるものの、原因が分からないまま脱毛しても、根本となる原因は治療されないままなので、健康上良くありませんよね。病院に行くのは勇気がいることかもしれませんが、原因がはっきりした方が治療もできるので、早めに医療機関を受診されてください。