エステサロンやクリニックでおこなわれている脱毛方法には、光脱毛とレーザー脱毛、それからニードル脱毛(電気針脱毛)があります。

でも、「脱毛」と言えば光脱毛かレーザー脱毛の二択で考えてしまいませんか? ニードル脱毛という言葉自体、知らない人が多いのではないでしょうか。

では、どうしてニードル脱毛を扱っているクリニックがこんなにもマイナーなのか、その理由に迫ってみましょう。

ニードル脱毛は技術力がモノを言う

レーザー脱毛や光脱毛は、脱毛機の使い方さえ覚えれば誰でも扱うことができます。「ちょっと雑な人」とか「照射漏れしちゃう人」とかスタッフによって多少の技術差はあり脱毛効果にも影響しますが、そこまで大きな差はありません。

しかし、ニードル脱毛の場合は違います。ニードル脱毛で使う機器は、電気針の装置のみです。毛穴に針を刺し、そこへ電気を流す。その電気刺激によって毛根を壊す。

ただこれだけのシンプルな施術なのですが、だからこそ、施術者の技術レベルが要求されます。毛穴に針を刺すわけですから熟練の施術者じゃないと危険ですし、管理も含め施術がいい加減だと感染症の恐れもありますよね。

施術者がきちんとニードル脱毛の技術を習得していること、また、スタッフ全体が衛生管理などもきちんとおこなっていること。この条件を満たせなければ、ニードル脱毛を実施することはできません。

レーザー・光脱毛の方が売上も上げやすい

レーザー脱毛や光脱毛をおこなうには高額な脱毛機を仕入れなければなりませんが、逆に言えばお金がかかるのはそれだけで、あとは人件費ぐらいです。操作さえ覚えれば誰でも使える機械なので、人件費も高騰することがありません。時給1,000円とかでエステティシャンを雇って教育すれば営業できてしまうので、人件費は抑えられます。

さすがに、クリニックの場合は看護師が施術することが多いので時給1,000円と言うわけにはいきませんが、それでも技術者に対する高額な給料に比べれば安いのではないでしょうか。

また、レーザー・光脱毛は短時間で施術ができるというメリットもあります。最近の脱毛機は照射口が広いものが多いので、スピーディに脱毛ができます。その結果より多くのお客さんをさばくことができ、効率よく利益を確保できるというわけですね。

ニードル脱毛の場合は1本1本処理していくために時間がかかりますし、どうしても人件費はかさみます。

ニードル脱毛が少ない理由

ニードル脱毛を実施しているクリニックが少ない理由は、

【1】技術が必要だから教育に時間もコストもかかる・スタッフの質を保つ必要がある
【2】人件費がかさみやすく、利益を出しにくい

主に、以上の2つです。

医師が脱毛クリニックを開業しようと考えたとき、手間暇がかかり利益も出しにくいニードル脱毛よりも、脱毛機さえ最新のものを仕入れればあとは比較的楽に儲かるレーザー脱毛を選ぶのも当然と言えば当然なのではないでしょうか。

脱毛効果が劣っているわけではない!

ニードル脱毛が日本でおこなわれるようになったのは1970年代のことで、すでに40年以上の歴史があります。レーザー脱毛はまだ20年程度、光脱毛はもっと歴史が浅いです。

古い脱毛法だからと言って、効果が劣るというわけではありません。レーザー・光脱毛とはまったく異なる仕組みで脱毛しますが、1本1本確実に処理できることは大きなメリット。本当は、すたれることなくもっと普及してもいいぐらいの素晴らしい技術です。

ただ、上記の理由から新たにニードル脱毛を扱おうというクリニックは少なく、探せばもちろんありますが、レーザー・光脱毛ほどには選択肢がありません。

光アレルギーや、肌質や毛質の問題でレーザー脱毛や光脱毛ができない人にとっては、唯一の脱毛法でもあるニードル脱毛。実施しているクリニックが少ないのは残念ですが、決してレーザーや光脱毛に劣るというわけではないので、脱毛の一つの選択肢として、もっと検討してみても良いのではないでしょうか。